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2012年12月26日水曜日

【勉強したいときに】吉川悟先生のWSがあるらしい【来年4月だけど】


吉川悟先生といえば,泣く子も黙るという実践家であり,理論家でもある。
硬質な文章でありまして,読みづらいところもなくはないですが,でも,書いてあることはすごい,という先生であります。

以前,遠見書房主は,こんなん作ったで~ということで,


セラピーをスリムにする!―ブリーフセラピー入門セラピーをスリムにする!―ブリーフセラピー入門
吉川 悟

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とはいえ,話すと,けっこう話のわかるオジサン(スイマセン)でもあります。

その吉川先生のワークショップが,この東京であるそうな!
しかも,今回のテーマは,「仮説設定」だって。すごい話が聞けますよ。これは,ぜひ,オススメかと思います。

なにせ,吉川先生は,大学の傍ら,民間心理相談所をいくつか持っていて,しかも,何十人というスタッフを食わせているのだから,ほんとすごい。開業業界における西の横綱でありますよ。(東は,菅野泰蔵先生でしょうな)

さて,WSですが,時期は,来年,4月13~14日。
まあ,ちょっと先ですが。

これは,故 高橋規子先生が遺した研究会:心理技術研究会主催のワークショップ。

研究会のなかの人によれば,


吉川悟先生によるシステムズアプローチ・ワークショップ「より有効な仮説設定ができるように」 11月に引き続き、システムズアプローチの第一人者である吉川悟先生(龍谷大学)をお招きし、ワークショップを開催します。 今回のテーマは「仮説設定」で、クライエントや家族、セラピストにとって治療上有効な作業仮説を形成し、臨床実践に活かすことを目的とした内容になります。
初日(4月13日)はどなたさまでも参加できる入門・基礎コース。
二日目(4月14日)は、初日の内容を踏まえての実践者によるトレーニングコースとなります。
奮ってご参加ください。
日時:2013年4月13-14日(土~日) 


だそうです。 詳しくは,同研究会のHPをごらんくださいませ。
 http://sinrigizyutsu.com/blankpage1.html

2012年12月18日火曜日

【一般公開】東日本大震災心理支援センター主催の活動報告研修会【12/22】

 
東日本大震災心理支援センターの中の方から,情報をいただきました。

今週末ですが,12/22(土)に東日本大震災心理支援センター主催の活動報告研修会が行われるそうです。

今回は被災地の方々にご登壇いただくということで一般公開。まだ参加者に空きとのこと。
当日参加も可とのことですので,興味がある方はぜひ。

定員:800名
参加費:一般3000円 学生1000円

詳しくは,

http://www.rescuenow.net/2012/12/-21222.html

をどーぞ。

 

2012年12月3日月曜日

【3/10】ナラティヴの皆さん,おいでください!【ナラコロします】

ナラティヴ・コロキウム(第1回)

たくさんの関係者がいるのに,なかなか一堂に集まる機会がない。「ナラティヴ」は,本当にそうしたものだと思います。
医療,心理,看護,教育といった対人援助職の方や,社会学,人類学といったアカデミックの分野の方がバラバラにおられるのが現状です。
そこで,「みんな集まれば面白いのでは?」という趣旨でもって,ナラティヴ・コロキウムなる集まりを催すことになりました。
コロキウムとは,「会議」といった意味ですが,「参加してよかった」と思える会をつくってみたいと思っています。

学生の方,初学者の方からベテランの方まで,新しい視点を見つける時間をご一緒しませんか?


日時 2013年3月10日(日曜)開催 9:30から(受付 9:00から)

場所 駒澤大学深沢キャンパス「アカデミーホール」
http://www.komazawa-u.ac.jp/cms/campus/c_fukazawa/
(定員300)
渋谷から東急田園都市線で駒澤大学駅下車 駅から徒歩15分ほど



大きな地図で見る%83%AB&ie=UTF-8&ei=k3u7UPDYM6yXmQWA84HwBw&ved=0CAUQ_AUoAA

主催 ナラティヴ・コロキウム実行委員会
(事務局:遠見書房内)

会費 学生もしくは30歳以下の方 2,000円
        一般の方    3000円

スケジュール
 9:30~10:45 「質的研究を実践するために」
(千葉県立保健医療大学教授・看護師)松澤和正先生
【『臨床で書く―精神科看護のエスノグラフィー』(医学書院)などの著者がある精神看護実践・研究者による質的研究案内!】

 10:55~12:20 「私のナラティヴ・ベイスト・メディスン」
(山梨市立牧丘病院・医師)古屋聡先生
【山梨の無医村地域での医療活動を続ける医師による私的 ナラティヴ・ベイスト・メディスン論】

 13:30~14:45 「ベイトソンからナラティヴへ」
(名古屋市立大学教授・人類学者)野村先生
【コミュニケーションからナラティヴへと対人援助における「対話」がいかに変容をしたのかを学ぶ】

 15:00~17:30 上記3人によるシンポジウム「ナラティヴとケアを考える」+ワーク(司会:八巻秀先生(駒澤大学教授))

 18:30より懇親会 駒沢大近辺で(5,000円くらい/気楽な飲み会を考えております)


※昼食は各自ご用意ください(大学周辺には食事ができるところ/コンビニが各種あります)


※参加ご希望の方は,「お名前とご所属」,「懇親会に参加希望の有無」をお書きの上,メールで遠見書房

tomi@tomishobo.com

までご連絡ください。

※当日参加も可能ですが,席数の問題もありますので,できれば事前にご連絡いただけるとありがたいです。(席を確保しておきます)

※当日,関連書の展示即売会も開催します。

※ご参加いただけない方も,ご興味のある方にこの情報を流していただけるとありがたいです。


2012年11月29日木曜日

【反省会】『事例でわかる 子どもと思春期への協働心理臨床』

 
うわ,11月も終わりw
年をとればとるほど,1年が短くなっていきますが,なんか今年は,すんごい光速で駆け抜けたような気がします。

1年で20冊超の本を作っており,なんだか,もう大変なわりには,口座に預金はたまりません。不思議なものです。

それでも,徐々に売れているので,ありがたい限りなのですが,どうにも動かない本があります。
もちろん,これは売れないだろう,という見極めもあり,それでも,いろいろと細工をして,なるべく利益になるよう画策をしているわけですが,それにしても売れない本がある。
とても残念なのですが,
『事例でわかる 子どもと思春期への協働心理臨床』




これがあまり芳しくありません。

当社では,刊行から半年すぎた辺りで,印税をお支払いするのですが,そのときはいわば「売上印税」方式をとっております。つまり,売れた分だけ,印税を払おうというシステムですね。専門書には,ありがちな方式ですが,ともあれ,半年(で,書店から返品があるのですが)に売上を計算をいたします。

で,上記の本,あまり売れていないことが判明。
刷り部数の半分は売れてくれないと,青くなるわけですが,そこすら遥か遠いという状況です。

で,これがヒドイ本なのか,と自問するわけですが,そんなことはない。いい本だと思います。
子どもや思春期に関する7つの事例があり,それが「協働(コラボレーション)」のなかで,どう臨床心理士が動いたのか,それによって,どうクライエントや患者さんが変わったのか,ということがじっくりと描かれています。
また,編者の竹内先生による協働心理臨床での注意点やら理想やら思想,あるいはノウハウ的なものも多く書かれていて,相当に勉強になる1冊。そう感じています。
編集モノ,というと,読んでみると,内容がバラバラだったりすることも多いですが,この本には一貫した思想があります。コラボこそが,クライエントらを一番幸福にするのだという認識があります。

ですが……あまり売れない。

もちろん,「協働」というのが,売れないキーワードであることは承知しているのですが,それにしても売れない。
「協働」って大事なところなのに,あまり売れないのは,どういうことなんでしょう。

たとえば,この前も,ベテランのSCの方と話していて,SCにおける一番大事なスキルは,コラボとコンサルだと仰っていました。
現況のSCは,週1くらいで学校を訪問していますから,1vs1のセラピューティックな関係を作ること,多くの子と関係性を持つことは難しい状況があります。
だから,コラボレーションとコンサルテーションで,ほかの関係者たちとともに,子どもたちを導いていく必要があるわけです。
とはいえ,当然,こんな能力が最初から身についているわけもありません。臨床教育でこのスキルの向上のために使われている時間は,さほど多くはないでしょう。また,こうした力は,経験によるものが多く,簡単に伝達できるものでもない。成書もあまりありません。でも,コラボをやらないといけない現実があるわけです。

ならば,このコラボの本が売れてもいいのに,どうして売れないのか。
みんなできていると思っているのでしょうか…?

編者の竹内先生としんみりとしたメールをやりとりしていたのですが,竹内先生が仰るには,

1)そんなにやれていないのに自分はやれていると思っている人
2)自分でもあまりうまくやれてないと感じているのにあまり深く考えずに流している人

が多そうだということ。

そのうえ,

指導者たちが「インテンシヴなサイコセラピーこそが心理臨床活動の中核だ」と教え込みすぎる分,協働が周辺的テーマとして軽視されているのではないか?

とのことであります。

なるほど。

臨床心理士の仕事は,1)面接,2)検査,3)研究,4)地域支援となっており,コラボはこの4)にあたるはず。
1)や2)はホットなトピックスであり,3)もマニア?には喜ばれるわけですが,4)は……厳しい。

わが身を振り返れば,当然,ほぼ1人出版社などを率いているわけで,私にはコラボもコンサルもなく,そういうものが苦手だからこういう現状に漂着したところもあります。
多くの方が私のような人生を選択することはなかろうとは思うのですが,それであれば,ぜひ,この本『事例でわかる 子どもと思春期への協働心理臨床』をお願いしたい所存であります。

2012年11月7日水曜日

世界一素敵な臨床心理学の本

 
新しい本を出した。
本当に素敵な臨床心理学の本だと思う。

素敵?
素敵な専門書?
どういうこと?

「専門書」と言えるのかはよくわからない。少なくとも,小難しい専門書ではない。
でも,この本は,臨床心理士が書いたケースの本。いわば,事例研究的な本であることは確かだ。
読んでみたら,素敵な本であるということがわかってもらえると思う。

この本は10章あって,どの章も1つのケースを中心に語られている。10のケースの物語があるのだが,どれも素敵なのだ。涙を流しそうにさえなる。うれしくもなるし,切なくもなる。いろんな感情が揺さぶられる。
判断は読者次第だが,事例としてうまくいったものもあるし,そうでないものもある。それを含めて,なんと言うか,小説を読んでいるようなのである。

「小説を読んでいるよう」なんていうと,褒め言葉ではないかもしれないが,いや,これは本当に褒め言葉である。
もっと言ってしまえば,これは小説だ!と言ってもいいかもしれない。でも,これは小説ではない。専門書だ。リアルなケースの話だから。

文がいい。
とても素晴らしい。

レトリックの技術もさることながら,文の構成も素晴らしい。

この2つがそろっている。

時折,「小説」じみたケースの話を,ドヤ顔で読ませてくれる方がおられるのだが,そういう方は,この本を読むと,ちょっと赤面してしまうと思う。そのくらい,ちゃんと面白い。ちゃんとした商品として面白い。

どこかの文庫本になってもおかしくないレベルだと思う。

この本だ。

★★★

物語がつむぐ心理臨床
こころの花に水をやる仕事

三宅朝子著


心理臨床,心理療法のことが10章の,10のケースを通して語られる。そして,この10のケースは,周産期から高齢期,死の直前から選ばれている。つまり,人間の一生に寄り添いながら,セラピーをする意味が語られていると言ってもいい。
でも,それらの難しいことは物語の背後にあるので,まずは,小説を読むように,この本を読んでくれればうれしい。

とても面白い本です。さらさらっと読めると思います。

ホント,必読ですよ。
 

2012年10月20日土曜日

誤解

 

こないだ,とある方と久しぶりにお会いした。もちろん,「こころの業界」の方である。
で,その先生が,
「遠見書房は,儲かってるでしょ?」
とお聞きになった。
「いやいや」と謙遜というか,実際にそんな儲かってはいないのだが,ともあれ答える。ボチボチでんな,というのがベストなんだろうか,でも,関西弁話せないし,などと悩みつつ,まあ,よくも悪くもない,などという感じで「いやいや」と言っているのである。

そういうと,こないだ刊行した,日本臨床心理士会さんの本2つを引き合いに出される。

「こういうのって,団体からお金,もらってつくるわけでしょ? ウハウハじゃないの?」

いやいやいや,1円もいただいてないので。

そう──大きな誤解がある。
『臨床心理士のための精神科領域における心理臨床』



『臨床心理士のための医療保健領域における心理臨床』

http://tomishobo.com/catalog/ca47.html


この本(2冊)は,1円もいただいていない。

もちろん,原稿料も印税もお支払いするのだが,これも遠見書房から出る。まことに自立的企画である。
士会さんからは,媒体への広告宣伝を無料にしてもらうなど(本書のみの広告だが),ありがたい対応をいただいている。プライスにすると,かなりのものだが,。ほかにもいくつかの支援をいただいているが,ともあれ,士会さんの口座から遠見書房の口座にお金が移動するということは,ない。
会員の皆様の貴重な浄財が,遠見書房に流れる,ということはないので,安心していただきたい。

日本心理臨床学会監修『危機への心理支援学』も同様であります。
(もちろん,すべての学会等の監修/編集ものが,買取も印刷代の一部肩代わりをしていないというわけでもありませんが)

とある先生が誤解されているようなので,他にも誤解されている方がいると思い,記述した次第であります。

とはいえ,最初に企画がきたときに,「買取とかあったらどうしよう,ムハッ」と鼻息を荒くしていたことは,内緒です。

2012年10月5日金曜日

【新刊】今日これからの心理臨床を考えるアーカイブズ!

 

先月の心理臨床学会(名古屋)に合わせて刊行しました,

『臨床心理士のための精神科領域における心理臨床』






この,姉妹編となる,

『臨床心理士のための医療保健領域における心理臨床』


http://tomishobo.com/catalog/ca47.html





を来週末(10/12ごろ),刊行いたします。

どうぞ,よろしくお願いします。



監修の日本臨床心理士会様の大々的なバックアップを受けており,臨床心理士会の雑誌でも宣伝をさせていただきました。

そこに直接販売用のシートをつけており,ファックスやEメールにて広く注文を募っております。
士会雑誌は,ちょっと前に刊行したところだそうで,遠くの地域の方にはまだ届いていないかもしれませんが,すでに多くの会員の皆様より,上記書籍の直接購入の申し込みをいただいております。
誠にありがとうございます。

ただ,10/5現在,『臨床心理士のための医療保健領域における心理臨床』がまだ刊行されておりませんので,未発送の状況です。
2冊を同時に申し込まれている方が多いのですが,同時にご送付したいと考えております。発送は,10/12以降になりますので,どうかあらかじめご了承いただけますとありがたいです。

なお,10/13(土),14(日)に東京ビックサイトにて行われる「日本臨床心理士定例職能研修会」でも,上記2点,大々的に販売いたします。
(遠見書房は出展できないのですが,新元社さんが引き受けてくださっています。)



 

2012年10月1日月曜日

先週の金曜日,東京大学教授の中釜洋子先生が亡くなった…

 
あまりにも突然のことに言葉も無い。青天の霹靂というか,なんというか,よくわからない状態である。がんで急逝されたそうだ。がんは8月後半に見つかったと伺った。あまりにも,急な展開で,ご本人もご家族も呆然とされているように思われる。

ご冥福をお祈りいたします。

本当に惜しい人だった。「世界の東大に家族療法の講座がある」というのは,すごいことだった。統合的なアプローチについても模索されていた。もともとは理学部だったそうな。心理学に興味を持ち,専攻を変えられたという。お酒はお好きで,何度かご一緒させてもらったことがある。タバコはお嫌いで,あんまり吸わないほうがいいとたしなめられたこともある。「スラムダンク」の名言を話し合う飲み会をしようなどと仰ってもおられた。息子さんがお持ちなのか,「スラムダンク」がお好きだったようだ。

中釜先生の昔つくった本を再刊しようだとか,翻訳(めいたもの)をやってみようだとか,いろいろと企画が立ち上がっていた。翻訳(めいたもの)のほうは,形態を変えて,進むだろう。進めてもらいたいと思う。昔の本については,現実的に難しいかもしれない。

なんということだろう。
本当に切ないことです。
 
合掌

2012年9月29日土曜日

秋ジャケは,フライになった夢を見るのか

いつのまにか,サンマの季節になっていて,秋ジャケも並ぶようになってきた。

学会シーズンはまだ半ば。 日本心理臨床学会向けた本で燃え尽き,また,その後の学会に向けた本で燃え尽きって,なんだか,燃え尽きてばかりいる。

なんか,パフォーマンスが落ちているのかもしれない,などと思ったりもする。老眼も始まったような気もする。歯周病やばい,とこないだ歯医者で言われ,2ヶ月かけてクリニーングをした。腰もいたい。足もだるい。つうか,年なのか。

 と,まあ,嘆いてばかりもいられない。

 ありがたいことに,それなりに本が好調に出ていて,その発送作業ばかりに力が行っていて,他の作業がはかどらないという現実もあるのかもしれない。

ここ最近,売れているのは,竹田先生の「トレブック」である。 マイナス思考と上手につきあう

 認知療法トレーニング・ブック ──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける
 マイナス思考と上手につきあう
認知療法トレーニング・ブック
──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける


これが売れ出してきた。

 刊行から2カ月がたって,倉庫から持ってきては無くなり,また持ってきて,という状況になっている。

 専門書は,やはり,どう考えても,売れ出すのに6カ月くらいがかかる。あまり宣伝もできないし,学術雑誌あたりに書評が載り出すのも,最短で6カ月くらいであり,ひどいと1年,2年かかるときもある。
とはいえ,書店さんに置かれている時間は,たいてい半年。平積みなら1,2カ月くらいである。

その期間内に売れ出すようにするのは,大変だ。


そうしたなか,竹田先生の本が,2カ月で火がつくのは,この本が力をもっている証拠なのかもしれない。

なんて書いておいて,その火も消えちゃうかもしれませんが,いや,まあ,ホントいい本なので,ぜひお手にとっていただきたいわけです。

 専門家の方には,以下のようなものもある。

 『マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック』
セラピスト・マニュアル




一方,新刊が2つ。

1つは,高齢者心理臨床のベリーグッドなテキストをめざして企画された,


 『老いのこころと寄り添うこころ』
──介護職・対人援助職のための心理学
  山口智子編



である。 この本は,大学~大学院くらいにあてたテキストである。心理専攻だけでなく,介護や看護の各専攻などで,高齢者の心理を学ぶ場合にも有効である。もちろん,ベテランの皆さんの「学びなおし」にも。

で,もう1つは,

 『臨床心理士のための 精神科領域における心理臨床』
  一般社団法人 日本臨床心理士会 監修
  同 第1期医療保健領域委員会 編
  津川律子 責任編集



日本臨床心理士会監修の1冊である。

姉妹編で,上下というか,姉・妹というか,ともあれ,2冊であり(べつにどっちが上ということもない。二卵性双子である),読み応えのある本となっている。

既刊のものが,この「精神科編」。
この次に,10月中旬に刊行される分は,「医療保健編」(まだHPにはあげていないのだが)。

臨床心理士の皆様は,必読でありますので,どうかよろしくお願いします。



唐突だが,今日,気になったニュース,

 【9月26日 AFP】
重い人格障害のある人は、嗅覚能力が極端に低いという研究結果が20日、学術誌「Chemosensory Perception」に発表された。 反社会的行動や共感の欠如、冷淡さなどで特徴づけられる人格障害と嗅覚の障害はどちらも、脳の眼窩前頭皮質と呼ばれる部分の機能障害に発することが分かっている。

 詳しくは, http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2903949/9584668 
 
ふうむ。

とはいえ,極端に鼻が効かないからといってパーソナリティ障害ではないらしいですが,パーソナリティ障害って脳の気質的な問題なの,とか,いろいろと思うところもあるのですが,原著論文を読んだわけではないので,これ以上のコメントは避けます。

 でも,いろいろと面白いですね。  

 

2012年8月31日金曜日

おならの本がでたよ!ぶ,ぶぶ,ぶっ~く

よいこのみんな,げんきかな?
遠見書房のオニイサンだよ。え,どう見てもオジサンだって? まあ,否定はしないけどね。

 さて,きょうはみんなに面白い本を教えようと思います。 村上八千世先生,知っているかな?

 「子どもの心と学校臨床」(第4号)にも




学校をめぐる問題と対応(4)まじめなうんこと学校の話

という,とても興味深い「便育教育」の寄稿をしてもらったオネエサンです。


 うんこ,みんな,大好きだよね。小さいみんなは,うんこって聞くと,げらげら笑っちゃって,みんなでうんこ,うんこの大合唱さえすると思う。
 うちの子も大好きで,年がら年中,うんこ,うんこ,言っています。

でも,大好きなのに,ちょっと大きくなると,うんこするのが恥ずかしくなっちゃう。

不思議だな。

 遠見書房のオニイサンは,昔から,羞恥心(恥ずかしいと思う気持ちのことだよ)があまりないのか,学校でトイレに行くのも問題なかったけれど,なかにはガマンしすぎてベンピになったり,漏らしちゃったり,いろいろな「うんこ物語」があります。

 で,そんな子どもたちのために,村上先生は,こんなのを書いています。

うんぴ・うんにょ・うんち・うんご―うんこのえほんうんぴ・うんにょ・うんち・うんご―うんこのえほん
村上 八千世 せべ まさゆき

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まえに子どもたち5人くらいの前で読んだら,みんな面白い面白い言ってたよ。うちにくるたびにリクエストする子もいる。

で,村上先生が最新作を出したんだ。 うんこの本じゃなく,おなら!の本。 みんな,もちろん,おならも好きだよね。昨日,保育園で子どもたちが,腕を口に当てて,「ププー,おなら,おなら」って何十分もやっていたけれど,ほんと,あきないもんだって関心しました。

ぶりっぺ・すかっぺ―おならのえほんぶりっぺ・すかっぺ―おならのえほん
村上 八千世 せべ まさゆき

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とっても面白いよ。

 「便育教育」に興味をもった大きいオニイサンやオネエサンたちは,村上先生のホームページもみてください。
学校で「うんこの授業」もしてくれるよ。
 アクトウェア研究所

 

2012年8月24日金曜日

新刊案内☆気づいたら8月も終わりに近づいている

気づいたら8月も終わりに近づいている。
決算時期だとか,雑誌があってとか,新刊が続いてだとか,暑いだとか,いろいろとあるのだが,かなりへばってきている。
10冊くらいが一人の編集者が作れる年間の限界のように思うのだが,アルバイトのK君と外注先のIさんの手を借りつつ,気づいたら,昨年末くらいから14,5冊本ができている。
作ったのはいいが,売りにいくまでできていない気もする。でも,それなりには売れているが,なんだか勿体無いところもあり,効率はあまりよろしくないかもしれない。でも,いい本,多い。

というわけで,せめて宣伝しようかと,お知らせするしだいです。

1:
「子どもの心と学校臨床」第7号
特集:事例から学ぶスクールカウンセリング(本間友巳・村山正治編)



事例から学ぶ,というのは,臨床心理学の研究・実践において,しのごのいわず基本だと思うのだが,学校臨床の事例というのは,発表するにはなかなか難しい現実がある。多くのひとが関わっている。それだけに発表は困難だし,それが個人臨床と比較して学校臨床の特異なところかもしれない。
その困難に打ち克つ(?)ために作られたのがこの特集である。
連載陣も面白い。すぎむらなおみ先生のエッセイというか,論文というか,は,必読です。「蜘蛛女のキス」みたいなんだけれど,集団性のある事例研究は,こういうのもアリなのかな,などとも思ったりもする。


2:
竹田伸也さんの認知療法の本2つ!

マイナス思考と上手につきあう
認知療法トレーニング・ブック
──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける


『マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック』
セラピスト・マニュアル




上は,当事者向けの,「プラス思考にこだわらないセルフヘルプ本」。
1000円という値段を見てほしいのだが,頑張ったこの価格。賭けに出ています……。当然,賭けられるものが本書にあるわけで,はっきり申して,すばらしい内容であります。
当事者の方がそそくさと本屋さんで買うということよりも,セラピストの方が勧めてくれる,みたいな方向になるといいな,と勝手に夢想していますが,ネット書店ではよく出ています。

で,後者は,この「トレーニング・ブック」を臨床場面で使うときの臨床家向け手引き。

アメリカでは,こういうふうに当事者向けの本と,セラピスト('S)マニュアルを同時並行的に売っていたりしてますが,本邦ではまだ珍しいのではないでしょうか。もしかして日本初? なんていうふうにも思いますが,セットで使ってもらうと強力な武器になるような,そんな気がします。

プラス思考じゃないところがいいです。


3:
津川律子編
『投映法研究の基礎講座』



「臨床に生きる──だからこそできる研究がある」なんていう格好イイ帯がついておりますが,その職業人生において研究と臨床をどう折り合いをつけるかは,セラピストの課題でもあります。
本書は,投映法を中心に,研究の進め方を考える,みたいな本ですが,執筆者は当代きっての臨床家+研究者たち。想定読者を考えれば,コアすぎる1冊です。ま,こういう本をさほど高くない価格で作ってしまうのも遠見書房のいいところでしょう,と自画自賛してしまいますが,大学の講座の研究室には,常備してほしいものであります。



4:
河村廣定 著
『はり灸師が教える ツボ刺激による自己ケア──皮膚から検索・疾患別アプローチ』



反応点療法という鍼灸技法を開発した河村先生による1冊。ハリを使わない新しい鍼灸法です。
なぜ,こんな本を……というのもあるのですが,ナラティヴ医療学のなかのオルタナティヴ・メディスンと考えれば,鍼灸は立派なメディスンの1つ。
わりにご興味をもっていただけるようで,学会などに持って行くと何冊か売れたりします。
アルバイトのK君がこの本の製作過程で,便秘に悩む乳児の甥っ子の反応点を本書のとおり刺激したら,もりもり噴出したらしいです……。ご興味あればぜひ。


5:
前田重治・北山 修 著
『ダイアローグ:精神分析と創造性』



精神分析家として高名すぎるお二人による独語(講演)と対話篇を盛り込んだ1冊。お二人とも九大名誉教授ということもあり,プライベートでも仲のよいお二人らしく,まあ,ほんと丁々発止といいますが,あれやこれや面白いお話を聞かせてくれます。

さすがに書店でもよく出ていますね。ありがたいです!


6:
姜 昌勲 著
『児童精神科医が教える 子どものこころ Q&A 70』



児童精神科医として奈良で開業されている姜(きょう)先生による1冊です。
かなりボリュームもありますが,けっこう安くなりました。もちろん,一般書のように安いわけではありませんが,この中身で2000円はかなりお安いかと思います。
Q&A形式ですが,児童精神医学がすっきりとわかるキーワード集と捉えてもらってもいいかもしれません。重複ないようにあれこれ70のQを集めるのは,それだけでけっこう苦労されたと思いますが,その労があって,天晴れな内容です。
心理の方はもちろん,学校の先生や養護教諭の方,幼稚園や保育園,各種施設などで子どもに関わる方にも読んでいただけたらな,と思います。あと,そうですね,ふだん精神医学にはコミットしていない小児科医の方なんかにもいいような。



というわけで,足早ではありますが,半年弱分の本,紹介してみました。

2012年7月31日火曜日

富士山麓エンカウンター・グループ

神奈川大学 下田節夫先生主催の富士山麓エンカウンター・グループ2012秋 があるそうです。

9/15(土)~17(月)までの2泊3日。

大築 明生先生(茨城カウンセリングセンター)もスタッフだそうです。


場所は富士山麓(静岡・裾野)でありますが,詳しくは,下のチラシをご覧くださいませ。

締め切りは,8/27だそうです。

ご興味のある方はぜひ。


















さて,先日(7/28),福島・いわきで行われた日本ストレスマネジメント学会にて書籍の展示販売をさせていただきました。

諸般の事情から,販売できるのは,懇親会の前後のみ,という厳しい状況だったのですが,けっこう売れまして。
とてもよかったであります。

売れるかどうかわからかったもので,「車で日帰り」だったのですが,帰路も往路も常磐道をひた走ったわけですが,帰り道,高速のSAでメシでも食おうと,とあるSAに寄ったのですが,22:30くらいでしたかね…人っ子ひとりいない状態でした。。。まあ,5分くらいしたら,何台か車きましたが。(寝ているであろう大型トラックは2台くらいいましたよ)

店は全部閉まっておりまして,ガスタンも閉まっており。冷凍食品をチンしてくれる自動販売機とかはあったので,寂しく,それでホットドッグ(2コ入りだけど,350円って,高すぎ)を食ったのですが,ともあれ,どうなっているのでありましょうか。

夏休みですよ。
土曜日ですし。
なのに,SAはガラーン。

ちょっと前の海老名のSAなんて,夜中つうのに,大量にひとがおりましたよ。。


ま,常磐道は,いわき市のところで切れていて,いわば,「盲腸線」でありますが,それにしても,この過疎っぷりはハンパねえ。。。北東北のSAだって,もうちょっと人がいそうです。

これは偶々なのでしょうか。前からこんな感じだったんでしょうか。

それとも,震災以降なのか。
 だとしたら,切ない。

 

2012年7月19日木曜日

「ベイトソンセミナー」だぉ

野村直樹先生による
「ベイトソンセミナー」
が開かれるそうです。

日時は,若干(?)迫っておりまして,下記の通りでございます。
場所は,アキバ。ベンリっすね。

日時:2012 年9 月17 日(月・祝) 10:00~18:00
会場:秋葉原ダイビル12階会議室D・E(秋葉原駅徒歩1 分です)
http://www.daibiru.co.jp/tokyo/akihabara/index.html
参加費:一般8 千円。学生5 千円(当日会場にてお支払下さい)
参加資格:ベイトソンや野村先生に興味があること
お申込み方法:下記メールアドレスに、お名前、ご所属、職種などを明記の上、お申込み下さい
shinrigijyutukenkyukai115@yahoo.co.jp

チラシに詳しいことが書いてありますので,どうかお読みください。













これは,心理技術研究会が主催するセミナーであります。心理技術研究会は,その前身は今は亡き高橋規子先生の勉強会。現在は,お弟子さんの一人,中野真也さんが一生懸命に運営しておりますが,ともあれ,野村先生のベイトソンセミナーは,秋口の風物詩でもあります。
今回,わりに広い会場でやるようなので,ぜひ,ご参加ください。

野村先生といえば,
みんなのベイトソン
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野村 直樹 BJORN

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でしょうかね。 おれは上記セミナーを受ける方はぜひ読んでおくように,とのことでございました。


ついでに,


http://tomishobo.com/catalog/ca18.html

【10万人?】あじさい革命を見てきた【1万人?】


マスコミの報道はあまりされず,なぜか,ネットだとわんさか報じられているという,だれが呼んだか「アジサイ革命」。
要するに,原発の再稼働反対運動というか,デモなんですが,毎週金曜日18時から20時まで,首相官邸でなされております。
主催者側の発表は,15万とも言われており,警察発表だと2万人。まあ,ここ十数年の社会運動のなかでは,警察発表の1.7万人とはいえ,かなりのものですが,マスコミの報道はあまりない。さすがに,今朝の朝日新聞では3面で大きくあげていたみたいですが,いや,数万規模のデモって,1面じゃね? みたいな感じがあります。
ともあれ,よくわからない。なら,行ってみんべえ,と昨夜7時くらいですが,のこのこ出かけてみました,アジサイ革命。

あんまり多かったら脱出するのも大変かもしれないと,銀座線 虎ノ門駅から行くことにしたのですが,ここはほぼ平常な感じ。でも,遠くでなんか聞こえる。シュプレヒコール? 声のするほうに近づいていってみると,

まあ,わかりにくいので地図をみてみてくださいな。

http://maps.google.co.jp/maps?oe=utf-8&rls=org.mozilla:ja:official&hl=ja&client=firefox-a&um=1&ie=UTF-8&q=%E9%A6%96%E7%9B%B8%E5%AE%98%E9%82%B8&fb=1&gl=jp&hq=%E9%A6%96%E7%9B%B8%E5%AE%98%E9%82%B8&hnear=0x60188d2059b7fd4b:0xec61c68fe232efd2,%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E6%96%B0%E5%AE%BF%E5%8C%BA&cid=0,0,1496533620218621583&sa=X&ei=eM33T7i9Ec3umAX_zIGYBQ&ved=0CJ4BEPwSMAA&oi=local_group&ct=image

虎ノ門から国道1号を登っていくと,財務省のカドのあたりから,警察車両がたくさんいる。カドを曲がれば,国会議事堂が見えるわけですが,曲がったところから,ひと,ひと,ひと!!!
財務省の入り口あたりで,そこから先にはいけません。
(ただし,歩道脇に歩行用の道があけてあるので,行くことはできますが,断念。)

みな,叫んでおります。
「再稼動,反対!」
サイ・カドウ・ハン・タイ!
リズミカルに,唄うように。

最後尾に並んで,雨が強くなってきます。首相官邸までここから何メートルくらいなんでしょうか。地図でみてみると,600メートル?くらい?
道の向こうの外務省側でも,ひとが並んでいます。ぱっとみるだけで数千人?
全貌はわかりません。

首相官邸の向こう側はどうなっているのか? よくわかりませんが,かなりの人数であることは間違いない。東京ドームの試合後以上の人ごみなので,まあ,2万ということはなさそうです。10万近くはいそうな感じ。

それだけいても,テレビ局のバスなんかは止まっていません。大事件とか起きると,警察署のまわりには中継車がわんさか停まるものですが,これだけの規模のデモには,テレビ関係のカメラが見当たりません。
もちろん,首相官邸付近のことはわかりません。ここは最後尾ですから……と思って振り返ると,後ろにもずいぶんと並んでいる。。すげえな。

ひとりで雨の中濡れるサラリーマン。
赤子を連れた母親。
有機農法の農家の方らしきオジサン。
OL風の女性2人組。
親子連れ。家族連れ。
並んでいるのはイロイロです。
……

もちろん,とある団体風の方もおられますし,某宗教団体が自社発行の新聞を配っていたりと,いろいろとさまざまな目論見があるのかもしれませんが,ともあれ,こんなに集まっている。これは,けっこう大変なことのように思います。






2012年6月13日水曜日

名古屋がきているのではなかろうか


今年の心理臨床学会は,名古屋だそうである。
名古屋。
Nagoya !
私にとって名古屋といえば,その昔は,タモリの話す名古屋ネタであり,清水義範の名古屋小説であった。そう,それと,クイズダービーに出ていた竹下景子である。クイズダービーを見ていたころは,まだ私は幼かったが,竹下景子が「お嫁さんにしたい芸能人」第一位であることは知っており,ああ,このひとが青年たちがお嫁さんにしたいと願ってやまない女王なのか……と思ったものである。幼い私には,高度すぎて,よくわからなかった。

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そういえば,その後,「名古屋嫁入り物語」 などというドラマがあったりし,植木等と山田昌の尾張人夫婦の怪演なども興味深く観た記憶がミョーに残っている。私は高校生くらいであった。たまたま母親とそれを見ていて,そのド派手な結婚式(が,ドラマの最後にはある)があったりし,それを観るたびに,うちの母親は,「お前は,頼むから,名古屋からお嫁さんをもらわないでくれよ」などと言っていた。
名古屋では「娘三人いれば家が傾く」というくらい結婚式にお金を使うらしい。

その十数年後,まさか私が名古屋のひとと一緒になるだろうなどとは思ってもいなかったが,それを母が知ったとき,「結婚式とかどうすんの」と慌てふためいたのはいい思い出である。結局のところ,Jターン?名古屋組だった同居人の実家は,「名古屋嫁入り物語」とは違い,いたって簡素な式をあげるだけで済んだ。ラッキーというか,残念というべきか。

というわけで,名古屋は親近感があるのであるが,時代は名古屋にあるのではなかろうか,とちょっくら思っていたりする。
別に,トヨタ万歳的な話がしたいのではなく,臨床心理学ワールドの話である。つまりは,臨床心理学界隈において名古屋がきているのではないか,と。

臨床心理学の世界は,西高東低の傾向がいまだに強いが,出版点数としては,東西の均衡に近づいていると思う。カリスマはいなくなり,小カリスマが乱立している時代である。
河合隼雄先生がおられた時代の京都大学は,間違いなく日本の臨床心理学の中心地であったろう。が,河合先生が一線を退くと,島宇宙化(群雄割拠?)が進行しだし,あちこちに核が生まれた。
個人的に興味深かったのは,九州大学である。90年の終わりくらいから九州大学の先生方は,興味深い仕事をされるようになった。世代が変わり,一気に花開いたのかもしれない。成瀬先生,前田先生,村山先生の蒔いた種が実を結んだということなのかもしれない。この3人のバランスのよさが,九州大学の臨床に生きていると思う。

で,そういうパワーをいま名古屋に感じる。名古屋にはいろいろと伝説がある。名古屋は大きな村だとか,ひとはみな地下道を歩いているとか,シビアな名古屋人を相手にする名古屋支店に転勤することは出世コースであるとか,喫茶店でモーニングを食べると大量にパンがついてくるとか,ビジネスホテルが5000円で目一杯朝食がつくとか,いろいろである。味噌煮込みウドンだとか,あんかけスパだとか,小倉トーストだとか,味噌カツだとか,独特の食文化もある。
全国が均質化しているなか,そのオリジナリティな文化をもつ名古屋の心理臨床世界が一段と伸びようとしているのではないか。

そんなことをつれづれに思うのである。

実は,遠見書房の本で,今年から来年にかけて,名古屋周辺の方の心理・医師の本が立て続けに出る。
ま,「名古屋がきている!」理由といえば,そのくらいで,かなりミクロな理由しかないのだが……。

でも,なんかパワーを感じるのである!!

エビデンス?,うんなもの,ねえ!







……すいません。

まあ,いい意味でまとまっているな,と思っているわけです。 興味深い研究者が集まってきているように思います。


 
当社では,既刊本でありますが,


野村先生(名古屋市立大学)





永田先生(名古屋大学)













の本が出ております。

どうか,名古屋パワーをご覧ください。
 

2012年6月9日土曜日

山口で日本家族療法学会があった。


もう先週の話になるが,山口で日本家族研究・家族療法学会があった。
山口というと,なかなか遠いのであるが,東豊先生のDVDつき本『DVDでわかる 家族面接のコツ(1)夫婦面接編』をひっさげて乗り込んだわけである。もちろん,展示販売をしているのであって,シンポに出たわけでもない。
家族療法学会は,遠見書房としては,初めての参加であった。

いやあ~,アウェイだったなあ~。

まだまだ,知名度低いなあ~。

などと,けっこうショゲた。

ブリーフサイコセラピー学会と会員がかぶるところもあるので,意気揚々と出かけたのであるが,ずいぶんと違う。家族心理学会あたりとも,ちょっと違うようだ。ドクターが多い。心理は少ない。そんな感じ。

アウェイを戦う選手はこんな気持ちなんだろうな,などとワケのわからない妄想をしつつ,売り場に立っていた。一番売れるのは,金剛出版さんで,バカバカ売れていたが,それを遠くで見つめるばかり。

でも,東先生はさすがで,知名度は抜群で,単価も高いので,山口往復(2泊)しても何とか赤字にならずには済んだ。というか,数字としてはわりに売れていた。東先生にオンブにダッコである。ありがとうございます。

そのうち,ホームの気分になれるよう努力をしていきたいところであります。
今後ともよろしくお願いします。

ぜんぜん話は変わるが,

以前の記事であげた,イタリア映画「やれば,できるさ」が,DVDになったそうです!
タイトルは変わりまして,

人生、ここにあり! [DVD]人生、ここにあり! [DVD]

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このブログの記事にあった映画会,参加しまして見たんですが,超面白いっすよ,この映画。ふつうに映画として,面白いです。

レンタルとかも出来るようになるんですかね?
ぜひ,ご覧ください。

ついでついでに,以前の記事であげた「精神」これも,DVDになったんですね。

精神 [DVD]精神 [DVD]

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ちょっとほしい。。。

2012年6月7日木曜日

『北山修の精神分析セミナー in 北海道(第1回)』のご案内

みんな大好き,北山先生のセミナーがあるそうです。北海道なんですが,ぜひ,どうぞ。

==

『北山修の精神分析セミナー in 北海道(第1回)』のご案内

 向暑の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、北海道で北山修先生を囲んでの勉強会を始めることになりましたので、お知らせいたします。自由な雰囲気のなかで、お互いが成長できるような学びの場となりますよう、皆さまのご参加をお待ちいたしております。

北山修先生は研修医時代を札幌で過ごしていらっしゃいます。その後、19年間の長きにわたり九州大学で臨床家を育ててこられました。定年退官を迎えられた2010年7月には、札幌で「創造性と心理臨床」というテーマでの講演会を前田重治先生と行っていらっしゃいます。このことも、北山先生にとって北海道との関係性をさらに深める一つの契機
となったようです。
これらの経緯を踏まえ、今年10月7日(日)に、下記の通り札幌で北山先生を囲む勉強会を始めることになりました。第1回ということもあり、北山先生ご自身に事例報告をいただき、会場にいる参加者全員でその事例に対してスーパーヴィジョンを行うという形式を試みることにいたしました。
北山先生は昨年の精神分析学会で学会賞を受賞されましたが、その学会賞受賞記念講演において素晴らしい事例報告を行なわれたことは記憶に新しいところです。今回、札幌で再び北山先生の事例報告を学ぶ機会を持てることは、北の大地で臨床をしている私たちにとってまたとない好機です。秋の連休の中日という日程ではありますが、この機会を逃すことなく、ともに学びを深めたいと思います。
2012年6月吉日
E・R・I カウンセリングルーム
寺沢英理子

― 記 ―

相互スーパーヴィジョン形式による事例検討
『覆いをとること・つくること ~精神分析的心理療法入門~』

テキストとして北山修著『覆いをとること・つくること』(岩崎学術出版社)を使用します。あらかじめご購入の上、当日ご持参下さい。北山先生によりますと、「症例Aと症例Kを一読の上参加されるなら、理解がいっそう深まるのでは」とのことです。
なお、ご希望の方には、同書の本講演限定割引販売のご案内をお送りいたします。

講師 北山修先生(北山精神分析室・国際基督教大学客員教授)
司会 飯島みどり先生(南青山心理相談室)
日時 2012年10月7日(日) 13:30~18:00
会場 札幌エルプラザ(札幌市男女共同参画センター)
対象者 臨床心理士、臨床心理学を学んでいる大学院生、および守秘義務を守れる臨床心理及び近接領域の専門家
参加費 7000円(大学院生は4000円)
定員 60名(定員になり次第締め切ります)
企画 北山 修
主催 E・R・I カウンセリングルーム
 終了後、19:00から2時間の予定で懇親会を開催します(自由参加)。会費は5000円です。

― 申込み方法 ―

(1) 以下の申込みフォームに必要事項を記入の上、事務局宛にメールで送信して下さい。
宛先は eri-co-room@s02.itscom.net です。
(2) 『覆いをとること・つくること』の割引購入をご希望された方には申込み受付メールにご案内を添付いたします。

― 申込みフォーム ―

1.氏名
○○○○(□□□□□□□□) ※括弧内は氏名の読み(平仮名)
2.所属
○○○○○○○○ ※大学院生の方はその旨明記
3.連絡先メールアドレス
xxxxxxxx@yyyyyyyy.zzzz.www ※携帯電話のメルアドは不可
4.連絡先電話番号
○○○-○○○-○○○○
5.懇親会
参加しない/参加する ※どちらかを残して下さい
6.テキストの割引購入
希望しない/希望する ※どちらかを残して下さい



↑ コストパフォーマンスとしては,けっこう安いように思えます。
青森くらいから行っても,元とれるような気もしますが,どうでしょうか。

覆いをとること・つくること―「わたし」の治療報告と「その後」覆いをとること・つくること―「わたし」の治療報告と「その後」
北山 修

岩崎学術出版社 2009-12-01
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ああ,他社の本の宣伝をしているばかりじゃ,いけませんね。
先日,出した,前田重治先生と北山修先生の本であります。
ダイアローグ!














評判,いい本になりました!

主催者 寺沢 先生は,札幌学院大の先生でもありまして,こんな本を出されています。



2012年5月25日金曜日

「第3回 ヘルスケア・コーチング研究会」開催

「第3回 ヘルスケア・コーチング研究会」が開催されるそうです。

以下,同研究会事務局様から情報をいただきました。



第3回 ヘルスケア・コーチング研究会
日時 : 平成24年9月9日(日) 午前9時~午後5時
会場 : 富山県総合福祉会館(サンシップとやま) 研修室701
富山県富山市安住町5-21
TEL 076-432-6141

【プログラム】9:00  開場

9:20  開会のあいさつ

9:30  講演 ①
人の成長を支援するということ
オフィス エンカレッジ代表  中村慎一 氏

11:15 講演 ②
医療におけるナラティブ・アプローチと物語能力
富山大学保健管理センター長  斎藤清二 氏

12:45 休憩

14:00 ワークショップ ①
コーチング・スキル: 自分の思いを伝える
銀座コーチングスクール認定コーチ 菅あけみ 氏

15:15 ワークショップ ②
コーチング・スキル: 信頼関係を築く聴くスキル
銀座コーチングスクール認定コーチ 土屋佳瑞 氏

16:15 交流会
17:00 閉会

参加費 : 一般 2,000円、会員 1,000円

参加申し込み : お名前・ご所属・ご連絡先を 050-3737-0551まで、ファックスにて
お送りください。事前に申し込みされなくても当日の参加は可能ですが、定員を超え
た場合にはご遠慮いただくこともあります。ご了承ください。

サイト: http://healthcoach.kenkyuukai.jp/about/

==

斎藤清二先生が講演されますね!

斎藤先生といえば,ミスターNBMと呼ばれる(←いま名づけただけです)医師 兼 臨床心理学研究者・実践家でありますが,特筆すべきは,先生の文章の正しさだと,思っております。
非常に,ロジカル。ああ,頭のいいひと,頭がすっきりと整理しまくっておられる方なのであろうなあ,と思うわけです。当然,わかりやすい。

名著として,歴史的な価値さえある,

ナラティブ・ベイスト・メディスンの実践ナラティブ・ベイスト・メディスンの実践
斎藤 清二 岸本 寛史

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若干,C調(死語)でありますが,

ナラエビ医療学講座―物語と科学の統合を目指してナラエビ医療学講座―物語と科学の統合を目指して
斎藤 清二

北大路書房 2011-04
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これ,なんかも,とてもとっつきやすいです。


当然,遠見書房の本も紹介させていただきますが,上の「ナラエビ」を高度?にしたものが,小社の立ち位置でありましょうか。















唸ります。


こんな本もございます。














こちらは,NBMではないですが,ナラティブ・アプローチによる,高校→大学への支援を実践している富山大のリアルを描いたもの,といっていいでしょうか。





2012年5月22日火曜日

5/27 日本心理臨床学会春季大会に出展


そういえば,忘れていたので,ご報告いたします。

今週末27日(日曜)に名古屋で行われる,日本心理臨床学会春季大会に,出展することが決まりました。

遠見書房は,「日心臨」の賛助会員になっておりまして,どうも今年から賛助会員のみ,春季大会で展示販売OKということになったようです。昨年は,一部会社のみ販売しておりました。 (会場の都合などもあるようで,来年はどうなるかはわかりませんが)

ともあれ,まずはありがたく,名古屋まで馳せ参じる次第でございます。

たった1日,しかも,WSの日なので,会場をぶらぶらうろつく,みたいなことはあまりしないかと思いますが,昼休みなど冷やかしにきていただければ嬉しいです。

また秋季大会(これもまた名古屋です)も当然,出展いたします。
春の大会には行かないという方も多くおられると思いますが,ともあれ,よろしくお願いします。

学会シーズン,イン!という感じでありましょうか。


名古屋いい店うみゃー店名古屋いい店うみゃー店
文芸春秋

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2012年5月12日土曜日



ナラティヴ・セラピーの牽引役のひとり,ジョン・ウィンズレイド先生が,神戸と東京でワークショップをするそうです。

テーマは,「ナラティヴ・セラピーによる心理援助の進め方」。


●神戸ワークショップ:2012年8月27日(月)10:00~16:00
●東京ワークショップ:2012年8月29日(水)10:00~16:00

詳細は,以下をチェックしてください。
http://www.jabp.jp/information/index3.html


ウィンズレイド先生は,日本ブリーフサイコセラピー学会の招きで来日されるそうですが,そのついで?に学会主催のWSをするんだそうです。

ご興味のある方は,ぜひ。

著作(邦訳)もいろいろとある方です。

新しいスクール・カウンセリング―学校におけるナラティヴ・アプローチ新しいスクール・カウンセリング―学校におけるナラティヴ・アプローチ
J. ウィンスレイド G. モンク John Winslade

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ナラティヴ・メディエーション―調停・仲裁・対立解決への新しいアプローチナラティヴ・メディエーション―調停・仲裁・対立解決への新しいアプローチ
ジョン ウィンズレイド ジェラルド モンク John Winslade

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2012年5月11日金曜日

「深奥なる心理臨床のために」出来!


山中康裕先生による「深奥なる心理臨床のために」が増刷(2刷)となりました!

初版売り切れて以降,長らく品が止まっており,皆様には大変にご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。

また,増刷にさいして,採算面から,100円あげて,3300円とさせていただきました。ハードカバーの本ですが,なかなか経費がかかってしまって。

どうかよろしくお願いいたします。



2012年5月8日火曜日

【新刊】児童精神科医が教える 子どものこころ Q&A 70【出ました】


新刊『児童精神科医が教える 子どものこころ Q&A 70』が刊行されました。





4月の終わりころに製本があがり,そろそろ各書店さんに並んでいるころだと思います。

児童精神医学に関する入門書です。

著者の姜昌勲(きょう・まさのり)先生は,奈良で開業する児童精神科医。
児童精神科医療について,いろいろと伝えたいとの熱い思いから生まれたこの本は,わかりやすいくて,暖かい,そんな本です。

実践で研修しているスタッフくらいを想定して書いていただいたので,ポップな表紙のわりには(?),詳しく,範囲も広く,初学者から中堅の臨床家にまで興味を持っていただける内容になったのではないかと思います。

スクールカウンセラーや,教育相談所などのスタッフの方,学校の先生,養護教諭の方,子育て支援などに関係している方,今度,精神科クリニックで働くことになった方,研修医の方などの最初の1冊として──言うなれば,児童精神医学のガイドブックとして,使っていただければ,幸いです。

臨床を目指す,大学(3年生くらいの)の教科書にもいいかな,などと思っています。

詳しくは,小社のHPをご覧ください。
http://tomishobo.com/catalog/ca38.html


どうかよろしくお願いします。

2012年5月3日木曜日

GW,盛りなり


GWまっさかりでありますが,皆様,いかがお過ごしでしょうか。

明日(今日か)から連休後半スタート!

と思いきや,なんとも,大変な天候で(@関東)。

皆様,無理はなさらず,穏やかに本でも読んでお過ごしください。


さて,下記のようなニュースを拝見しました。

「精神医療の改善」要望書で会見(上)消費税増税分の歳出削減になる
http://www.pjnews.net/news/159/20120411_1

「精神医療の改善」要望書で会見(下)原発安全神話と同じメディアの構造か?
http://www.pjnews.net/news/159/20120411_2

一部抜粋しますと,

【PJニュース 2012年4月24日】自由報道協会の会見で、米田倫康氏は、精神医学会や製薬会社を中心に、新型抗うつ薬が販売開始された1999年頃から、うつ病の早期発見・早期治療が大々的に呼びかけられ、脳内神経伝達物質のバランスの乱れがうつ病の原因であるという、立証されていない仮説がしばしば引き合いに出されたこと。薬の効果や副作用の少なさが誇張されてきた風潮があるという。
ということだそうです。


もっとも,これは大々的に報道されているというわけではなく,そもそも,このPJニュースは,パブリック・ジャーナリスト(市民記者)のためのwebスペースであるので,注意が必要かもしれません。
ま,「自由報道協会」は,プロフェッショナルなジャーナリストの団体でもあるので,こういう記者会見がなされたというのは,事実でもあります。

ともあれ,これは,SSRIあたりのことを仰っているのかな,という気もします。
遠見書房主は,薬については,ほとんど無知なのですが,問題の本質は,製薬会社だけでもなく,安易な投与をヨシとする医療の「生産性」の問題かな,という感じもします。というか,これは,卵が先か,鶏が先か,という議論なのかもしれません。

他方,心理療法やカウンセリングなど無意味である,という論調もあり,その理由として「エビデンスがない」という検索結果だったりもしますね。そうした研究がなされていないだけかもしれませんのに。
上記の記者会見の全貌はわかりませんが,心理療法やカウンセリングの効用をされているというわけでもなさそうです。

現実には,薬物治療と心理的な治療はセットになったほうが,いいように思えるわけですが,これはどうなのでしょうか。


ともあれ,うつ病拡大?の反動から,今後も,こうした報道は続くのかな,という感じもちょっとしますね。

会見された内海さんは,こんな本を書いておられます。
精神科は今日も、やりたい放題精神科は今日も、やりたい放題
内海 聡

三五館 2012-03-23
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刺激的な内容です。いろいろと読むひとによって感想は違うのでしょうけれど。とりあえず,刺激的,と申しておきます。



2012年4月19日木曜日

東先生のDVDつき本,映像見本です!

遠見書房主です。

なんだかぱっとしない天候です。薄ら寒いような。


さて,当社の新刊である,

『DVDでわかる 家族面接のコツ(1)夫婦面接編』





こちら,大好評発売中でございます。
値段にもかからず,,,というよりも,DVDつきとすれば,破格の値段だと思いますが,わかっていただいているのか,それともやはり天才セラピストのオーラがにじみ出ているのか,その相乗効果なのか。
とても,ありがたいことです。



とはいえ,6930円(税込)でございまして,買おうかどうしようか迷っている皆様にとっては,中身をみたい,というのがニーズではなかろうかと。

そこで,若干遅くなってしまいましたが,CMを作りました,youtubeにあげました。

↓↓↓↓

http://www.youtube.com/watch?v=dcZ7_81Yd8A


ぜひぜひ,ご覧いただいて,ご検討くださいませ。

2012年4月9日月曜日

「子育て支援」がきている?!

春爛漫という陽気です。桜はほぼ満開(in三鷹)。皆様,いかがおすごしでしょうか。

「子育て支援」がきているのか?


という感じがヒシヒシとします。

心理・社会的支援が必要そうな子どもや家族に対する,コアな「子育て支援」ではなくとも,それなりに健康的な子どもや家族に対する,心理学的なメソッドをつかった子育て支援が,広がってきていると思います。

ま,これは遠見書房主が子育て中だから,感じることかもしれませんが。

(とはいえ,臨床心理士ブームに大学院なりに入った人たちがいま保護者になりつつ世代であることを考えると,なにか関係があるかもしれません)

遠見書房としては,「子どもの感情・親の感情」という本を出しており,これも子育て支援「ノーバディーズ・パーフェクト」のテキストになっています。そして,かなりの部数が出ているので,とてもありがたいところです。



で,こういう本を出しているからですが,いろいろと情報が集まってきていて,こういうことをしている人たちがいるとか,こんな教材があるとか,なんとか。

先日,古くからの知人でもある臨床心理の方から,勉強会を開催するので宣伝ヨロシク!と,情報提供をいただきました。
子育て支援「セラプレイ」に関するものなのですが,多くの方にとれば,「なに,それ?」でありましょう。

その勉強会のテーマも,

セラプレイ(Theraplay)って何?

であります。

いただいた資料によると,

「セラプレイ」とは…
セラプレイは、遊びを通した心理療法の一つです。その原理は、主に愛着理論(attachment theory)、自己心理学(ego psychology)、対象関係理論(object relation theory)に置き、親子関係をモデルにしています。健康な親子関係は、安全な愛着と生涯にわたる心の健康の基盤となります。セラプレイでは親に積極的に関わってもらうことで、「今、ここで」の子どもとの関係を心の通じ合えるようにするものです。また、相互作用の多い身体的かつ直接的な関わりをしながら、どんな状況でも相手をひとりの人格として尊重し、関わっていくことを大切にしています。



ということなんだそうです。

わかりますかね。

詳しくは,HPがあるそうなので,興味ある方はご覧になってください。

www.theraplay.jp

で,上記,勉強会でありますが,

日時:2012 年4 月30 日(祝日) 午前10 時~12 時 (午前の部)「セラプレイって何?」
場所:小田急線 経堂駅 徒歩3 分 すずらん会館地下1 階
対象:日頃子ども達と一緒に過ごされている方たちや、子どもの行動や心理にご興味のある方などお気軽にご参加下さい。(50 名まで)
参加費用: 午前の部のみ 4000 円

だそうです。

チラシももらいましたので,貼っておきます。


2012年4月6日金曜日

とある精神科医の選択

その精神科医は,私と同じ年だった。同じ年だったからか,それなりに話が合い,気が合ったのかもしれない。半年に1度くらい,あちこちで酒を飲んだ。友人というと,少しおかしいかもしれない。でも,すぐさま本を出すというわけでもなかった。ビジネスライクな付き合いでもない。仕事の話もしたし,プライベートな話などしたりもした。親しい人であったことは確かだ。

その彼が東日本震災の被災地で仕事をしようかと思う,と言ったのは,ちょっと前に飲んだときだった。冬になったばかりのことだ。私はなんと答えたろう。酔っていたので覚えていない。

そして,今日,その彼からメールがきた。4月から福島の,震災と放射能の問題で厳しい地域の病院に着任したという。よく聞く地名だ。

何年行くつもりなのだろうか。それとも,骨を埋める覚悟さえあるのだろうか。彼は一人身で,気楽にいけるのかもしれないが,それにしたって,かなりの決断だ。出身は東京で,ずうっと東京近郊で暮らしてきたはずだ。

彼は,全国屈指の中高を出て,全国屈指の大学の医学部に入った(赤い門があるところである)。受験者数が一番多かった時代だ。エリートもいいところである。

そういう人が,こういう選択をした。

言葉もない。
私には真似できそうもない。まあ,編集者が福島に行ったからって,何ができるというわけでもないのだが。

ただただ,尊敬するばかりである。この世界は,こういう人たちに支えられているのだと思う。

2012年3月30日金曜日

遠見書房主でございます。

ここ3カ月,いろいろな本を出しており,HPをご覧いただけると,とてもありがたいですが,ようやくそれもひと心地つけそうで,でも,気がつけば,3月31日! は,早い…。

去年のいまごろは,ほんと,いろいろなことが大変でした。いまも,状況は変わらない部分もあるかと思いますが,私のようなオタンコナスでも,時折,考えるのが,「死」について。

以下,「日本死の臨床研究会」の告知です。


第36回 日本死の臨床研究会年次大会

 日時:2012年11月3日(土、祝日)4日(日)
 場所:国立京都国際会館
 テーマ:いのちの継承と再生―秋の京都で死の臨床を深める

 大会長:堀 泰祐(滋賀県立成人病センター緩和ケア科)
     若村智子(京都大学医学部人間健康学科)
 実行委員長:細井順(ヴォーリズ記念病院ホスピス)
 
 特別企画鼎談:梅原猛・樋口和彦・山折哲雄(司会:柏木哲夫)
 市民公開講座:早川一光
 特別講演:上野千鶴子・加藤寛・徳永進・永田和宏・山崎章郎・山中康裕・鷲田清一
 教育講演:田村祐樹・林章敏・平井啓・村田久行

 大会ホームページ:http://rcpt.kyoto-bauc.or.jp/jard36
 参加費:会員7000円 非会員9000円 学生3000円(抄録集含む)
     市民公開講座 1000円
 問い合わせ:大会事務局
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町53 
京都大学医学部人間健康科学科 若村研究室
  FAX:075-751-3974  e-mail:jard36@kyoto-bauc.or.jp

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さすがに,すごいメンバーですね。
ちょっと先になりますが,ご興味のある方はぜひ。


先日,長野で行われた「心の健康会議」でも,シンポは「生と死」みたいなテーマだったかと思います。出展社だったので,あまり聞けなかったのですが,考えさせられる事例は多かったです。

2012年3月19日月曜日

【東豊】けっこうコレはすごい本になると思う【DVD!】

天才セラピスト!というと,なんだかいろいろと怒られそうであるが,東豊先生を知っている人は,みな,東先生のことをそう言う。「あのひとは天才だ」「天性やね」「天才的ですよ」などと。
現実問題として,天才セラピストとは,どういうことを指すのだろうか,とも思う。丁々発止がうまい,という感じもあるかもしれないし,包容力がある,という感じかもしれない。いや,単に「治す」という意味なのかもしれない。

東豊先生が「治す」のか,というと,これはよく治すらしい。以前,東豊先生の雇用者であった小郡まきはら病院院長の牧原浩先生がその論文か何かで,「東先生には一番の給料をあげていた。一番治してくれるからだ」ということを書いていた。その病院では,MDやNSを含めて,臨床心理士である東先生が一番の給金をもらっていたらしい。
その後,東豊先生は,鳥取大学医学部精神医学教室の助教授になった。非医師の医学部助教授は,東先生が最初のひと,というわけではないけれど,やはり珍しい。ここでも伝説的なセラピーを展開していたらしい。当時の論文をいくつか読むと,ものすごく面白い。

ともあれ,天才セラピストと語弊なく言えるうちの一人が東豊先生であることは,間違いないだろう。よくある出版社が勝手に天才だと持ち上げているわけではなく,周りの人が言っているという意味で,である。

実際の東豊先生は,とてもサービス精神の旺盛な方である。あちこちに目端がきく。頭の回転もすこぶる早い。そして,愉快な方である。一緒にいてとても楽しい。スゴ腕の話し上手である。天才セラピストの一面が確かにある。
で,なかなか厳しいところのある方でもある。自分にも厳しいし,他のひとにも厳しい。キレモノすぎて,いろいろとわかりすぎてしまうところがあるのかもしれない。

ともあれ,そんな天才の本,しかも! DVDで天才のセラピーが2回分(1つのケースで初回と2回目)の映像がついた本が出ます!

まだHPでは公開していませんが,「DVDでわかる 家族面接のコツ① 夫婦面接編」というタイトルです。

ようやく,見本があがってきました。

なんと,ハコつきの本!(たぶん,初刷分だけ)……



なかの本にももちろん,カバーがつき……




これがDVD……




で,本の中身は………



まだ,印刷前なので,白紙ですが……160ページのテキストになっています。


そして,価格は,

6,600円+税(6,930円)

はっきり言って,これは破格のお値段かと思います。

4冊のシリーズになります。これがその1冊め!

予約絶賛受付中です。
書店さんにも並びます。

3/26 見本出来です!