話の意味がわからんという方も多いかもしれないが,「ガンダム」というのはいくつかシリーズがあって,その最初のものが,「ファースト」(1st)として,崇め奉られている。
シリーズになっているものは,映画にしろ,小説にしろ,マンガにしろ,「最初のが一番だよね」みたいな話になりやすい。
私の上の世代は,「スターウォーズ」を映画館で観たかどうか,というのが,何かの指標になっているらしいし。確かに,「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にしろ,「インディ・ジョーンズ」にしろ,「1」が一番いい気がする。
とはいえ,あまり「ファースト」がもてはやされないものもあって,たとえば,シャーロック・ホームズとか。「『緋色の研究』がベスト・オブ・ベストだよ」などという話は,確かにあまり聞かない。まあ,ちょっと世界観が確立していないところがあるのかもしれないけれど。
ファーストがあまり知られていないという意味では,
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であろう。
うちの息子(3歳)が,ある日から唐突に「アンパンマン」に目覚めた。どうも友だちのうちに行ったら,感化されてきたらしい。基本的に,そうした「ブランドもの」は与えないようにしてきたのだが,とうとう気がついてしまったようだ。
寝ても覚めてもアンパンマン,アンパンマンと言っている。そんなある日,本屋に行ったら,「アンパンマン」のよくわからない本の前で,「テコでも動きません」の状態になってしまった。オモチャやお菓子と違い,本ならば,けっこう気にせず買ってあげているので,買ってもらえると踏んだらしい。そして,書店には(面白みのない本屋に限って)アンパンマンとディズニーの本が山積みになっている!
でもって,一計を案じて購入したのが,「あんぱんまん」ファーストである(ひらがな表記なんですね)。
「あんぱんまん」ファーストのことは,一番安定している(何を読んでもホント面白い。子どもも喜ぶ)絵本作家 長谷川摂子さんの絵本ブックレブュー本,
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にあった。
「あんぱんまん」ファーストは,オドロオドロシイ内容である。食パンマンもバイキンマンも出てこない。ジャムおじさんの設定も曖昧で,工場内でパイプを燻らせていたりする。あんぱんまんがさっと頭を差し出すのだ。半分,かじられていたりする。そのまま空を飛んだりする。アニメだと,そのあたりはぼかしているというか,さっとあげる,みたいになっているが(というか,もやは食べさせることはあまりしないようだ),ファーストは違う。ファーストはガチだ。「さあ,ぼくのあたまをたべていいよ! えんりょしないで!」そんなことを言われてもなあ。というか,別途用意するとかできないのかね。などと考えてしまうのが大人であろう。
正直に言えば,多少,意地が悪い気持ちから,子どもに買ったのであるが,そのわりに,子どもは気に入っている。アニメと絵柄が違うが,さほど気にしていないようで,オドロオドロシイ内容も面白がっているようである。
やなせたかしのあとがきには,本当に感銘を受ける。
というわけで(どういうわけで),小社の絵本,「かばくんのきもち」もよろしくお願いします。
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