遠見書房のメルマガ

遠見書房のメルマガ
月1くらいの謙虚なメルマガです。上のバーナーをぽちっと押すと、説明ページに飛びます

2010年10月27日水曜日

eating clouds

 
発作に襲われた。

ワンタン発作である。
さほど重い症状はないものの,年に1度ほどくる発作には耐えられない。

月曜の午後より発作がきていたのだが,なんとか一日伸ばすことができたものの,やはり,抗しがたく,今日(もう昨夜か),スーパーに行って,ワンタンの皮を買ってきてしまった……だって,豚ひき肉が100 g 58円の,超特価なんだもの…

ワンタンの皮を買うのははじめてだった。いままで発作が起きたときには,1)自分で皮から作ってしまうか,2)ワンタンメンで誤魔化す,ことをしていたからなのだが,今日は当然,平日であり,ワンタンの皮など悠長に作っているヒマはない(といっても,30分くらいで出来ちゃウンだが,後片付けも大変だしな,と却下)

豚ひき肉 200 g 買って,ショウガを半かけくらいおろして,青菜(山東菜 1束)と,長ネギを5センチくらいみじん切りにして,肉と混ぜる。
適当に混ぜたところで,醤油を大さじ1,日本酒を大さじ1,コショウを一振り,して,また混ぜ混ぜ。これで,餡は完成。
これでワンタン 60個分
あとは,小さじ1杯くらいで,ワンタンを包んでいくのみ。30分もかからず,できるはず(たぶん)。
グラグラ沸いた水に,2分ほど茹でれば完成である。さすがに60個だと,2回に分けてやりました。

スープはま,適当に作ったが,60個,さすがに食いでがありました。ちなみに,遠見書房主の家は,大人2人,幼児1人。これにゴハン食べたら,食後,動けなくなります。とかいいつつ,残り物のから揚げとか食ったけれど。手羽元2本も。

ともあれ,これで,もう1年くらいはワンタン発作におびえることもないであろう。えがった。


ワンタンは雲呑と書くが,確かに,食べ方もそんな感じで,つるっと呑んでしまう。中に肉とか入っているから,もう少し噛みたいところだが,なぜか,つるッ。あのピラピラがクセモノですな。

私が小学生の時分,千葉の某市の給食にワンタンが時折出ていて,それなりに人気メニューであったが,でも,それは肉を包んだワンタンではなく,そのピラピラだけの不思議なものであったなあ,などと思い出す。
それでも,時折,私を襲うワンタン発作は,あのピラピラ食いたい発作であるような気もし,だったら,きしめんとかでもいいんじゃないの,などと思ったりもする。


全然どうでもいい告白だが,遠見書房主の趣味のひとつは料理である。当然,マッチョな男として(ウソです),豪快!男の料理!といえるとカッコよさげなのだが,実際のところは,冷蔵庫の残り物とか野菜売り場の見切り品とかでかなり適当な料理を作るタイプ。レシピ,うろ覚えとかで作りますからね。というか,だいたいレシピとか見ないし。でも,仕事,早いっす。手際もわりにいいっす。ひとり社長となり,妙に仕事は遅くなった気はするんですが,料理は早くなりましたよ。はい。

そんな私を真似してか(ウソ),こんな雑誌,できたんですね。。。ま,自炊する人,増えているんでしょうね,不景気ですし。

男子食堂Vol.3 2010年 11月号 [雑誌]男子食堂Vol.3 2010年 11月号 [雑誌]

ベストセラーズ 2010-10-20
売り上げランキング :
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

隔月刊のようです。
立ち読みした限りでは,なんていうんですかね,「オレンジページ」の男子版? うんな感じ。
ただ,なんつうんですかね,「オレンジページ」とか「Saita」とか,その手の「倹約系料理雑誌」に比べると,切実さが足りない気もするんですね。洒落こいているっていうか。「男の料理」にまだ片足を残しているというか。
よしなが先生を本当に見習ってほしいところですよ。

きのう何食べた?(4) (モーニングKC)きのう何食べた?(4) (モーニングKC)
よしなが ふみ

講談社 2010-10-22
売り上げランキング :
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 

2010年10月20日水曜日

仕事の隙間

 
こないだ,拙ブログに「とある本屋さんが」というのを書いたら,ツイッターで話題になったらしい。と,仲のいい出版社のひとが教えてくれた。

tweetbuzzという,まとめサイトというのか,そういうのにも載っていた。

http://tweetbuzz.jp/entry/7328591/tomishobo.blogspot.com/2010/09/blog-post_14.html


まあ,遠見書房という会社も小さいので(っていうか,ひとり社長の会社だし),いろいろとチグハグな感じなのだが,話題になることはいいことだ,などと厨房のようなことを思ってしまう。

遠見書房は,大きい取次と取引をしていない。地方小出版流通センターさんとJRCさんを通して(経由して),大きい取次(トーハン・日販とか)を通してもらって,それで,各書店さんに本を流している。
なので,まあ,話がかみ合わないのは仕方がないのだが。

まあ,ただの嘆息記事なのだけれど,これを書いた数日後から,メールでの書店さんからの問い合わせがちょっと増えた。ただの偶然だろうけれど。

そのなかの一通は,「急いでいるので直納してほしい」といったものだった。金曜日の午後にメールをいただいたのだが,用事がいろいろと重なり,返事を書けたのが金曜の深夜だった。返信内容は,もちろん,了解である,が,どこに送ればいいのか教えてください,といったことである。つまりは,送り先が書いてなかったのですね。

で,注文数を箱に入れて,送付先のメールを待っているのだが,,,まだこない。大丈夫かなあ~と心配になってしまう。専門書の複数冊の注文は,まあ,授業や研修会やらで使うことが多いだろうから,期日があるのではないかと思う。もう終わっちゃったのかな……。一応,もう一度メールを出しておいたが,心配である。こころあたりのある方は,ご一報ください。

==

出版社の営業部にいくつか連絡する必要があって,HPで探したのだが,出版社も,メアドを公開していないところは多いことがわかった。
いろいろとHP内を探し回って,メールをしてみたりしたのだが,まったく返事がないところもけっこうあったりする。
info@~ なんていうメアドは,スパムメールばかりになって,もう捨てられているのだろうか……
それとも,メールの内容が悪かったのだろうか。こちらからのメールは,まあ,無視しなくてもいいじゃん,というレベルだったつもりなのだが。

==

と,まあ,メールも使うひと次第っつう,当たり前の話ですかね。


オチが思いつかないので,次のネタを。

==

動画共有サイトyou tubeが一部,有料化を検討しているらしい。

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20091216_youtube_option_to_pay/


著作権とかなんか大丈夫なんか,なのに,有料化とか大丈夫なんか,と思うのだが。
ここのところ,一部サービスを有料化するサイトが増えてきたような気がする。広告だけで営利を出すビジネスモデルが成り立たなくなってきたのだろう。you tubeの有料化が成功すれば,あちこちの有力サイトが有料化するようになるかもしれない。となると,金を出さないと楽しめず,無料のサイトはあやしげな広告ばかり,という感じになっていくかもしれない。ネットの終わりの始まりか。

……これで本が売れるようになるかな,などとちょっと思ってしまった。ひまつぶし としての本は,コストパフォーマンスにすぐれたコンテンツだと思う。
なんて,ロマンチックなことを思っている私は,もう古いんでしょうかね。
 

2010年10月16日土曜日

妙木浩之先生,ありがとうざーす

 
ちょっと前に送られてきていたのだが,なかなか開く機会がなく,ようやく開いた,「心理臨床学研究」。いわずとしれた,日本心理臨床学会の機関紙でありますね。

学会の会員でもなく,賛助会員でもない,遠見書房主としては,実はこの雑誌は,なかなか見る機会もないのですが,時折,読めることがあるのですね。
それは,雑誌の終わりのほうにあります,「書評」のコーナー,これに,会社の本が掲載されますと,学会からなのか,担当会社の誠信書房さんのほうからなのか,1冊お送りいただけるというシステムになっております。

そして,ようやく封筒を開いたのですが,『深奥なる心理臨床のために』(山中康裕先生著)の書評でありました。

評者は,妙木浩之先生。
とても,好評であります。

「臨床に携わっているなら,誰が読んでも面白い本だと思う」
これが1行めですよ,1行目。

あまりもすばらしい書き出しなので,もう一度,コピペしますが,



「臨床に携わっているなら,誰が読んでも面白い本だと思う」

うーむ,すばらしい。「誰が読んでも」ですよ。
確かに,面白い本です。


「とにかくどこから読んでも,そしてどんな風に読んでも面白いのだ」
なんてことも書いてあります。
ちなみに,私のほうから,妙木先生に実弾(ゲンナマ)が渡っている,,,なんてことはありません。

もちろん,その後は,内容についても,いろいろと触れてありますので,学会の会員の方は,ぜひ,書評,読んでみてください。
業界5本の指に入る読書家である(と私が思っているだけですが)妙木先生に,ほめられると,まあ,本当に嬉しいですね。

ありがとうございます,妙木先生。この恩はいつか必ず……。いな,手っ取り早く返しますが,,

妙木先生の「初回面接入門」,いい本ですよ。皆さん,買ってくだされ。

初回面接入門―心理力動フォーミュレーション初回面接入門―心理力動フォーミュレーション
妙木 浩之

岩崎学術出版社 2010-09
売り上げランキング : 59514

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


初回面接を定式化するのは,心理療法の効果up! のためにはいいことのように思えます。CBTが効果的だというエビデンスが多いのも,ここが要因のような気もしますが,こうしたセラピー文化の大きな変化のなか,心理力動の初回面接の定式化(フォーミュレーションすな)を図ったのが本書なのかな,というふうに思ったり。


2010年10月15日金曜日

催眠の合同学会に出展してみますた

 日本催眠医学心理学会と日本臨床催眠学会の合同大会が,2010年の10月9日~12日まで,鹿児島大学(松木繁先生大会長)で開かれた。とても盛況だったようだ。

この2つの学会が合同で開かれる,ということを聞いて,とても驚かれる方は,催眠業界の事情になかなか明るい方であろう。いろいろとブログ上で暢気な第三者が書くのもはばかれるのだが,今回の合同学会は,まさに「呉越同舟」である。松木先生のご尽力の賜物であろう。

というわけで,その松木先生より,鹿児島まで,ぜひ本の出展をしてほしいという要請を受け,日ごろ,お世話になっている遠見書房としては,催眠関連の本が一冊もない,という状況ながら,鹿児島行きのチケットを買ったのである。

今回,2つのことにチャレンジしてみた。
1つは,遠見書房主が,その三連休に古くからの友人の慶事があったので,鹿児島には行けず,代役のK氏を立てたこと。K氏は時折,小社の仕事を手伝ってくれる御仁である。
もう1つは,代役のK氏の日当と交通費などなどを稼ぐために,多くの出版社さんにお声かけをし,商品を販売させていただいたこと。要するに,遠見書房の本だけでは,いささか心細いので,本の出張販売社と化したわけであります。
ともあれ,下記のご協力いただいた皆様に感謝いたします(五十音順・敬称略)

秋山書店
岩崎学術出版社
金子書房
金剛出版
青弓社
NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会(ゼンセイネット)
創元社
二瓶社

===

売れたな~という本は,

「現場からの治療論」という物語―古稀記念「現場からの治療論」という物語―古稀記念
神田橋 條治

岩崎学術出版社 2006-04
売り上げランキング : 135162
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools
鹿児島だけに……

ミルトン・エリクソンの心理療法―出会いの三日間ミルトン・エリクソンの心理療法―出会いの三日間
ジェフリー K.ザイク

二瓶社 1993-07
売り上げランキング : 343858
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools
やはり……

催眠誘導ハンドブック―基礎から高等テクニックまで催眠誘導ハンドブック―基礎から高等テクニックまで
イゴール レドチャウスキー 大谷 彰

金剛出版 2009-05-19
売り上げランキング : 222402
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools
当然……

新版 催眠法の実際新版 催眠法の実際
斎藤稔正

創元社 2009-09-08
売り上げランキング : 278016

Amazonで詳しく見る by G-Tools
然り……

催眠術の日本近代 (復刊選書)催眠術の日本近代 (復刊選書)
一柳 廣孝

青弓社 2006-09
売り上げランキング : 74836
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る by G-Tools
ほほう……

精神世界のゆくえ精神世界のゆくえ
島薗 進

秋山書店 2007-07
売り上げランキング : 462299

Amazonで詳しく見る by G-Tools
多少場違いだけど……

説明を追加
















これは超イイ本ですが,何か?






と,まあ,3日間,K氏は活躍をしてくれ,鹿児島から荷物が帰ってきて,発送その他もろもろをおえ,現在に至る,という感じなのですが

……ええ,ちょっと赤字でした。ほんのちょっとですが……
さすがに,鹿児島は遠いですわな。でも,遠い鹿児島まで行って,もうちょっとアレだったら,アレだったのか,などと皮算用もしてみたり。

ともあれ,皆さん,ありがとうございました。

2010年10月8日金曜日

下坂幸三先生の本を読んでいる。わりにマジメに,深夜に数ページずつ。

 
ちょっと前に,仲のいい臨床家たちと飲んでいて,日本の古典的でなおかつ必読の,臨床心理学および精神医学の本はどれだろう,というような話になった。著作名であげるのはなかなか難しいが,「これぞ」という著者をあげることは可能かもしれない。などと話が展開していき,河合隼雄先生だの,中井久夫先生だの,土居健郎先生だの,霜山徳爾先生だのの名前があがっていった。そして,勝手に,十傑を選んだりし,ハシ袋の裏に書いたりした。メンバーは,酔っていたからか,なぜか11人になっているが,錚々たる面々である。

そのなかに,下坂先生の名前が出ていた。摂食障害を研究し,摂食障害の専門治療施設を作った(というべきなのか,患者さんはほとんど摂食障害だったという),すぐれた精神科医である。
私が以前勤めていた会社では,下坂先生の本をいくつも出していて,インターネットが広がる前,よく患者の母親から「うちの娘が拒食症で……下坂クリニックに行きたいのですが,連絡先を教えてください」というような電話がかかってきた。(ネットが広がると,この手の問い合わせはほとんどなくなった。)
いろんな問い合わせがあったが,この手のものだと,下坂クリニックの所在地を尋ねる電話が一番多かったように思う。
(でも,「104で調べてください」と答えることになっていた。下坂先生から,そうしてほしいと連絡があったらしい。)

下坂先生は亡くなり,名著の誉れ高い,

アノレクシア・ネルヴォーザ論考アノレクシア・ネルヴォーザ論考
下坂 幸三

金剛出版 2007-04-17
売り上げランキング : 719505

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

は,まだ生きている。
ほかにも,いい本はいろいろとある。

下坂先生以外にも,先に名の挙がった面々のなかでは,亡くなった方も多い。河合先生も,土居先生も,霜山先生も亡くなった。

現在の出版情勢から言うと,死んでしまうと,出版物は売れなくなり,どんどん絶版にされていく方向性にある。多くの筆者は,生きているからこそ,売れるのであって,死んでしまうと,おしまいになってしまう。死んでもなお,売れ続けるような筆者はなかなかいない。生きていれば,その著者のまわりに,新しい人たちが集うことで,新たに本が売れるのだが,亡くなってしまうと,新たな掘り起こしができないから,じゃないかと勝手に類推している。
文庫化されない専門家の本は,やはりある時点で売上が止まってしまう。文庫などのリーズナブルな形で,新たな読者にわたっていかなければ,古典として生き残ることは難しいのかもしれない。電子出版は,その点,ありがたい存在だが,こちらから検索しないと出てこない電子出版物は,文庫やふつうの書籍に比べて,リーズナブルだからといって,売れるわけではない。

たとえば,20年後,河合隼雄先生は,書籍のなかでどう生きるのだろうか? 50年後は? 100年後は?
個人的な感覚としては,100年後に,河合先生の存在が知られていなくても仕方がないと思うが,50年くらいだと,ちょっと寂しいという気がする。でも,レマルクの本なんか,まーったく見なくなったことを思えば,30年でも御の字なのかもしれない。

下坂先生の本は,どうなのだろう。豊かな医学的知識と,臨床の英知がぎゅうっと詰まった本が多いから,ぜひとも生きながらえてほしい。なかなか,それに代わる本はないと思う。
 

2010年10月4日月曜日

自閉症のいい本を読む。

宮城学院女子大学の白石雅一先生より,下記の本,ご恵送いただきました。

自閉症スペクトラム親子いっしょの子どもの療育相談室自閉症スペクトラム親子いっしょの子どもの療育相談室
白石 雅一

東京書籍 2010-09
売り上げランキング : 107712

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

自閉症スペクトラム(若干,重め)の専門家向けの本です。障害児教育にたずさわる教師のかたがたがメインターゲットになるでしょうか。保護者の方が読んでもいいかもしれません。
内容は,というと,帯の文句が本書を一言で言い表しているので,引用します――

療育を成功させるためのノウハウを豊富な具体的事例で示す!


実に,事例も豊富で,かつ,ノウハウも豊富です。いろいろなオモチャを工夫して使ったり,100円ショップにある商品を利用してオモチャにしたりと,ほんと,多彩な内容です。
事例がまたイイ! ほんわかと暖かいのですね。白石先生の療育相談の雰囲気って,こういうんでしょうね。

白石雅一先生には,小社の『子どもの心と学校臨床』第2号でも,すばらしい論文を寄せていただいております。
こちらもぜひ。


発達障害関係の本は,ほんと販売点数が多くて,なかなか売るのだって,買うのだって大変ですが,版元の東京書籍は,昔からこの分野の本をコツコツと出し続けている老舗の1つ。いい本,多いですね。

まあ,こういう本出したいっすよね,編集者としては。
つか,もう10月かいな。。。と文脈無視して,つぶやいちゃいますが。
つか,最近,妙に一生懸命,専門書,読んでおります……