遠見書房のメルマガ

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2010年9月29日水曜日

酒飲みの夜

 
昨年,ブログでご紹介した和田先生の本,
 
がんに負けない心理学がんに負けない心理学 和田 のりあき PHP研究所  2009-06-11 売り上げランキング : 263379 Amazonで詳しく見る by G-Tools   24冊預かっていたのですが,無事,すべて売れました。ありがとうございます。   もう遠見書房からの販売は難しいですが,書店さんでぜひ,お買い求めください。   和田先生は,残念なことに,昨年亡くなってしまいました。そろそろ一周忌ということだそうです。     さて,預かっていた24冊は,版元からではなく,長崎におられる和田先生の先輩というか,上司というか,まあ,ご存知の方であれば,すぐにピンとくるでしょうが,児島達美先生が買い求めたものを売っていたのでありました。     *    *   無事売り切った24冊分の代金を児島先生にお支払いしなくてはならない。振込先をうかがおうとメールをしたところ,近々出張で東京に行くので,そのときに会って(酒でも飲んで),お金を渡しましょう,ということになった。合計24,000円とちょっとである。   実を言えば,児島先生とはちょくちょく飲んでいる。   可能性としての心理療法可能性としての心理療法 児島 達美 金剛出版  2008-08-06 売り上げランキング : 657063 Amazonで詳しく見る by G-Tools  
という本を作ったあたりから,否,その前くらいからか,ともあれ,ちょくちょく飲んでいる。

ところがその日は,とある先生(O先生としよう)と飲むことになっていた。とはいえ,約束をしたのは,児島先生からメールをもらう数時間前という感じで,実を言えば,こちらの先生とも,かなり頻繁に飲んでいて,私はこの2人を会わせたら面白かろうと,勝手に考えた。2人に伺うと,2人とも気のいい御仁であり,二つ返事で会おうということになった。神田某所の飲み屋である。

ちょうどその日は,日本臨床心理学会が行われた日で,時折遠見書房の仕事を手伝ってくれるK氏に販売の手伝いをしてもらっていた。ついでに,この飲み会にK君も誘うと,これまた二つ返事でOKとなった。

お金を渡すのは酔っ払う前に限るので,乾杯もそこそこに,封筒に入れたお金を児島先生に渡すと,「じゃ,今日はこの金で飲んじゃおう」という。悪いっすよ,というと,「まあ,和田くんのためよ。追悼だと思ってさ」とまでおっしゃるので,ありがたく杯を重ねた。 O先生はお強い。K氏もなかなかの左党であり,児島先生もくいくいと飲まれる。当然,私も嫌いではないので,私以外は皆初対面というわけのわからない会であったが,宴は妙な盛り上がりを見せた。とても愉快であった。少なくとも私は……。

会計の段になった。もう店は閉めようとする時間で,領収書をもって,店員がやってきた。

「24,000円です」
「封筒の中身と一緒!」

ま,もちろん,多少のジャリ銭はあったのだが,札は,ピタリと一致した。まあ,偶然といえば偶然だが,和田先生も,そこにいたのかもしれない,と思ったりもする。などと,まあ,面白いことがあったのです。

 

2010年9月22日水曜日

シナモンパンもレモンパンもなし

 
……と,いきなり,わけのわからない表題かもしれませんが,これ,「回文」であります。

先日,遠見書房主の同居人の思い出の絵本「つつみがみつつ」が某所より発見されたのですね。
「つつみがみつつ」というのは,土屋耕一作,たざわしげる 絵の,絵本。否,絵本というか,「こどものとも」226号ですね。1975年の発行のようです(なんて書くと齢がバレますな)。この「つつみがみつつ」(包みが三つ)というタイトルでわかるように,この絵本,全ての文章が「回文」になっている,という奇ッ怪な絵本でありまして,たざわさんの絵とともに,なんだか,風変わりな作品となっております。

古本でも希少なようで(価値があるかはわかりませんが),アマゾンでは取り扱いがありません。

せめて,絵の画像だけでも……








で,まあ,この作品は,回文によって物語が進行する,というか,回文を無理やりつなげたところに物語が生まれている,というか。なんて書くと,ネガティヴな言い方をしているようですが,この絵本,なんか妙に面白いのですね。

で,この表題

「シナモンパンもレモンパンもなし」

というのは,この本のなかに出てくる回文でありまして,

「手伝うよ いつでも どんな用だって」

だとか

「お買い得 安いと 椅子屋 くどい顔」

なんていう力作もあったりします。

というわりには,

「タイツについた」

「二回目 いかに」

などと,尻の穴がへこみそうな回文もあったりして。



妙に喜んでしまったのですが,2歳半になる子どもも妙に喜んでおりました。

結局,その絵本は発見場所に置いてきてしまったのですが,その翌日になって,ウチの子どもが,

「二回目 いかに」
「わかいかわ」

などとつぶやくのですね。トートツに。

普段は,取り立てて,言語の発達が優れたような感じはしないのですが,回文を言い出す。ナゾ。

当然,回文の意味なんてわかっていないわけです。上から読んでも下から読んでも,などとはわかっていない。
でも,そんな子どもにとっても,「音」が面白いんでしょうね。同じ音が続きますから,耳心地がいいのかもしれません。

それに加えて,大人が面白いのは,回文のもつ技巧性でしょうか。うまい洒落を聞いているようなセンスと,関心するような言語能力がすごい回文制作者にはあるようです。

シナモンパンもレモンパンもなし

なんて,中心にあるのが「レ」ですよ。なんか,すごくないですか。カタカナだし。

それと,ナンセンスさ,でしょうか。否,ナンセンスという言葉だけではくくれない,物語性-非物語性の二面性を内包しているところが面白のかもしれません。
たとえば,「二回目 いかに」という回文。唐突に,この文章は,2回目から始まっているわけです。でも,「いかに」ですから,きっと,1回目は,あまり期待にそぐわない結果になったのではないかと,類推される。もっと言ってしまうと,1回目は手ひどい失敗だったのではないかという気もする。――という物語があるわけです。
でも,それは物語があると同時に,物語でもなんでもない言葉の羅列だったりもする。正直,唐突すぎますからね。何が2回目なのか。10回目とか,55回目が約束されたうちの2回目なのか。それとも,単純作業の繰り返しのショッパナの2回目なのか。まったくわからない。もちろん,何の2回目なのかも,さっぱりです。

で,私たちは,回文を前にして言うわけです,「無理やりじゃん」というのと,「うまいじゃん」というのを。


なんて感じで,昨日から,回文ばっか作っている私でございました。


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2010年9月17日金曜日

けっこうマジメに専門書を読む

 
医学書院の方からご恵送いただいた,下記の本,

その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズケアをひらく)その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズケアをひらく)
上岡 陽江 大嶋 栄子

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じっと読んでいますが,面白いです。治療者,とくにセラピーやカウンセリングにかかわっている人は,ぜひ,目を通していただきたいものがあります。

内容は,アルコール依存とか,薬物依存者への施設「ダルク女性ハウス」の当事者研究といえばいいでしょうか。治療を終え,一応,「回復期」に入ったあたり,医療的支援が終わったあたりからの,当事者の世界を描いたものです。
心理臨床って,結句,治療者のあり方を,モデルとして,クライエントに認めてもらうことなんじゃないかな,などと思う。って,まあ,こんなことは,よく言われていることですが。

それにしても,「ケアをひらく」シリーズ,すごいですね。


==

それから,訳者の安東末廣先生から,あちこちを経由して,こちらにいただいた,

脳科学にもとづく子どもと青年のセラピー―日々の実践に役立つ治療法脳科学にもとづく子どもと青年のセラピー―日々の実践に役立つ治療法
ジョン・B. アーデン ロイド リンフォード John B. Arden

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という本も読んでいます。脳の発達や認知のあり方に合わせた心理療法を目指す,というようなもので,よく出した!という感じがいたしますね。文献がすごいっすよ。70ページくらい文献です。ハイ。
ある意味で,「統合的な心理療法」を考えているといってもいいかもしれません。

それにしても,「ブレイン・サイエンス」って,なんか訳しにくい言葉ですね。正直,「脳科学」ってあやしげなイメージもあります。というか,あやしげな本につきがちなタームなわけですが,そのあたり,この本が売れて,一新してくれると,嬉しいなあ,というか,なんというか。脳科学関係の本,出す予定は全然ないですが……。


 

2010年9月14日火曜日

とある本屋さんが

 
ある公的機関から連絡が入った。遠見書房で出している『子どもの心と学校臨床』は書店経由じゃ入らないのか,と聞かれる。もちろん,入ります,とお答えすると,昨日,××という書店さんから遠見書房に連絡があったはずで,そのときに,それはできない,とか,(遠見書房側が)言ったのではないのか,などと言うのである。
当然,そんなことはない。しかも,昨日,その××という書店から連絡は入ってはいない。なので,確かめるべく,その××という書店の番号を聞き,電話をしてみることにした。
すると,××という書店さんは,○○という別の書店さんを通して,商品を流通させているらしいことがわかった。公的機関の方と似たような話をされる。遠見書房が悪い,というような話である。なので,今度は,○○という書店さんに連絡をしてみる。
すると,ま,事情が事情なのだろうけれど,結局は,○○という書店さんは,どうも,小さな出版社に連絡をするのが面倒になってしまったらしい。
定期購読なので,書店さん側は,待っていれば,本がやってきて,本を売れば,入金がある,というような,正直,濡れ手に粟 というべき状況だと思うのだが,儲かるとはいえ,数百円のことである。面倒になってしまったのだろう。そんなことをムニュムニュと言っていた。
こっちのせいにされたのは,本当に不愉快である。などと思うが,根掘り葉掘り事情を詳しく話を聞いたわけではないので,よくわからない。流通取次のあいだとかで,また違う出来事があるのかもしれない。とにかく,○○という書店のひとは,疲れていた感じであり,私のほうまで疲れてしまう。

こうやって商店は潰れていくのだろうか。などと考えてしまう。
小さなお店が潰れていくのは,代替わりがうまく進まないことが大きな原因じゃないかと思う。そうやっているうちに,結局は,大きな,気の利いた会社が,仕事を奪っていくのだろう。

★  ★

先日,友人が近所の大きい本屋で,小社の商品を注文してくれた。東京周辺では,名の通ったブックチェーンである。
そうしたら,
「2カ月かかります」
と言われ,注文を受け付けてくれないのだという。取り付く島がなかったらしい。

注文短冊を書くのは,確かに面倒だけれど,うーん,そうやってアマゾンに人は流れていくのかな,とさえ思ってしまう。なんか,いろいろと考えさせられる。

★  ★

本の流通は,わりにアナログである。というか,すげえアナログである。

書店さんから,メールで注文を受けたことは数えるほどしかない。
ほとんどがファックスか,電話である。
不思議だな,と思う。注文にかかるコストは,けっこうかかっているんじゃないかとさえ思う。

先の○○書店のひとだって,注文を受け付けなかった書店の窓口のひとだって,メールくれれば一発なのに。すぐに返事するのにな,などと思う。お互いコピペというか,テンプレート的通信でいいのだから,手間はさほどかからないはずだ。ファックスと同じくらいだろう。

アマゾンが突出した売り上げを出しているのは,アナログじゃないからじゃないか,とさえ思ってしまう。


なんかいろいろなことを思って,切ない気分になりそうです。

 

2010年9月8日水曜日

9/25-26 日本臨床心理学会に出店します

 
台風,大丈夫でしょうか。

さて,9/25-26に,東京・代々木にある国立オリンピック記念青少年総合センターで行われる,日本臨床心理学会大会に,急遽,出店することになりました。

学会大会の案内(学会のHPにリンクしてます)
http://www.geocities.jp/nichirinshin/event.html



岡村達也先生がシンポに出られるので,出展してみようと思ったものです。
大会の内容も面白そうです。

それに会場の「国立オリンピック記念青少年総合センター」といえば,いろいろなレストラン(というか,カフェテリアですかね)があります。これが安くてウマくて,妙にサービス(フリードリンクとか)がよくて,goodであります。って,なんの話だという感じですが。

なお,遠見書房の本とともに,他社の本も預かって販売する予定です。

ぜひ,よろしくお願いします。



 

2010年9月6日月曜日

最低と最高

 
昨日,仙台で行われた「日本心理臨床学会」での販売が終わった。

皆さん,書籍展示コーナーまで,おいでくださいまして,ありがとうございました。
関係者の皆様,お疲れ様でした。

 *   *

最終日,昼までの販売,会場間の距離,そして会場と会場の間にある「坂」,階段,熱波などなど,あまりいい条件ではありませんでした。そのせいか,売り上げもあまり行かず……。
なんとか赤字は免れましたが,予想の半分。5点しか売るものがなかった昨年と,ほぼ同じ売り上げ(涙 と,かなりな状況です。

会場が悪いのか,はたまた,当方の書籍のあり方が問題なのか,ウツになりそうな,笑えない状況であります。
昨日は,売り上げを計算していたのですが,結果がでたとき,いや,ほんと,泣きたくなりました。出張費に,出展料に,プログラムに出した広告料に……とかさんでくると,制作費などを考えると,黒字なのか,赤字なのか。公費でのお買い求めもいくつかあったおかげで,なんとか黒字にはなったものの,意気揚々と引き上げてくる予定だっただけに(わりに自信あったんですね),ショックは大きく……。

もう私の感覚と,臨床現場におられる人の感覚は違うんだろうか。。。

などと,思っておりますと,今日は,某アマゾンへの出庫の日になるのですが,これが,現在までに最高の冊数の注文を記録しました。ほかにも注文がいくつかあり,中には100!を超える注文もあったりして……

なんとも,人生万事塞翁が馬というべきなのでしょうか。

それとも,学会で買いそびれた人が,アマゾンで買い求められたのか。

売れないのか,売れているのか。
もうよくわかりません。いや,総じて売れているというべきでしょうか。

結局,荷物をつくるのに,何時間もかかってしまいました。いま,終えたところです。

手元の在庫にはないものも出てきたので,明日は倉庫に行かねば。

それよりも海とか行きたいですが……


 

2010年9月1日水曜日

【しんりん】紙芝居,売ります!【めだま】

 
灼熱地獄! というべき,この夏。9月になっても,アチィーって感じですね。ほんと,暑い。残暑ってどこいったんざんしょ,と駄洒落も不発な遠見書房主です。

さて,先週木曜日から金曜日まで長崎で行われていた「日本ブリーフサイコセラピー学会」に出展させていただいたわけですが,なんとか,どうにか,目標をクリアはできまして,東シナ海のモクズ☆とならずに済みました。
来年は,同学会は,秋田でやるそうで,招聘講師として,ナマハゲが出るという未確認情報が界隈を駆け巡っていたりしますが,期待大でありますね。


さてさて,今週金曜日からは仙台で,心理臨床学会がありますが,先日,かなりの売れ行きが見込めそうな,重大な商品を納品していただきました。

これ!↓↓↓↓




わかります?
これ,「ストレスマネジメント」の紙芝居!です。
坂上頼子先生(かけはしストレスマネジメント研究会を主宰されている臨床心理の方)が監修してつくられた,紙芝居なのです。
当然,学校臨床場面の紙芝居でありまして,タイトルは,「イライラしたとき,どうする?」といういたってストレートなもの。
ストレスマネジメント教育(というほど,小難しい感じではありませんが)をしながら,リラクゼーションなども入りつつ,ま,イライラの解消方法がわかったりするわけです。

SCの方や学校の先生が使うと,なんか,すごいよさそうです。

この紙芝居,小社も展示販売をいたしました,日本ストレスマネジメント学会で,坂上先生たちが販売なさっていたのを,横目で見ていたのですが,いろいろとあった末,学校臨床心理全国研修会で,小社で販売代行をしたところ,なんと,50数冊を売り上げたという恐るべき商品です。

坂上先生らが研修会やWSなどをしつつ,手売りしてきたものだそうですが,今回はひとつの「実験」(?)として,坂上先生らの発表などはないのですが,仙台の心理臨床学会で,販売してみることにいたしました。

サイズは,A3くらいですかね。
紙芝居のサイズというものが,どうもあるようです。(あの紙芝居のハコ(?)のサイズみたいですね)
ページは,10枚。厚紙にフルカラーで印刷。もちろん,裏面には,セリフが載っています。
ストレスマネジメントについて勉強されている,心理士の方ならば,さほど問題なく使用できるでしょう。

これを遠見書房では,2,300円で販売する予定です。正直,これは安いです。印刷屋さんに見積もりをいろいろと出してみましたが,とてもじゃないですが,この価格では出版社は商売できません。NPO法人ならではの価格,と言えると思います。

なかなか手に取ることはないかと思いますので,ぜひ,ごらんいただければ幸いです。
ほんと,面白いですよ。