遠見書房のメルマガ

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2010年6月28日月曜日

送付・送付・送付

 
いつもお世話になっております。
遠見書房主です。

時折,本をいただくことがあります。自身のご著書だったり。おすすめの本だったり。論文の別刷だったり。報告書だったり。出版社からの書評用の謹呈本というものが多いですが,単にいただくようなものも多いです。
勉強になるので,本当にありがたいことです。

で,いつもとても気になることがあるのですが……


送料,気にしてないの?


ってことであります。

宅急便やゆうパックで1冊送ってこられた方がいましたが,けっこうな値段になってしまいます。また,普通郵便で本を送られたりして,切手代,もったいないなあ,と思ったり。
出版社なんぞをやっておりますと,当然,本を送ることが多い。というか,そればっかり。
出版社としては,なるべく安く,確実に,時間もさほどかからず送りたい。それから,「伝票」も,手書きなんぞはまだっろこしい! プリンタ打ち出しが楽なものがやはりベスト,というようなニーズもあります。

ともあれ,そのノウハウを多少,開陳しましょう。もっとも,ノウハウってほどではないですが。
(ただ,流通事情は日々変わりますので,いま現在の情報だということをご注意ください)


まず,考えるべきは,「速度」です。なるべく早く届けたいのか,あるいは,数日かかってもいいか,の2択になります。

ASAP(as soon as possible)で!の場合:
基本的には宅急便の出番です。
東京からですと,西は中国地方,北は青森くらいまでは,翌日配達のゾーンです。逆も然り。航空便を使えば,また金額は上乗せになりますが,ほぼ日本全国,翌日で到着します。
ふつうの方ならば,クロネコヤマトにするか,ゆうパックにするか,でしょう。値段的には,西濃やら名鉄やら福山通運のほうが安いですが,この手の運送屋さんは,一般家庭からはなかなか出しにくいのが現実です。営業所がそばにあれば,そこに直接持ち込むのがベスト。ですが,クロネコヤマトがあちこちに営業所を作っているのに比べ,ほかの運送業者はかなーり広い地域を一つの営業所でこなしていることが多く,融通はあまりききません。
佐川運輸も,西濃より若干高いくらいで,リーズナブルです。しかも,時間指定や商品の受け渡しなど,融通を聞いてくれます。ただ,ここも,一般家庭からはなかなか申し込みにくいところがあります。
クロネコは,個人宅でも,荷物を受け取りにきてくれますので,便利です。ちょっとお高いですが,時間には正確です。
一方で,「ゆうパック」ですが,日本郵便の商品で,これも宅急便とほぼ同じです。取りにきてくれますが,局で出したほうが割引があります。局出しすれば,クロネコよりも若干安いと思います。

とはいえ,これらの宅急便は,3冊くらい送らないと,ちょっと割が合いません。1冊ですと,価格は,距離や大きさによりますので一概には言えませんが,500~700円くらい。ちょっとお高い。
それから,宛名が「手書き」というのも,ネックでしょうか。

ASAPで,1冊をなるべく安く! という場合,日本郵便の「レターパック」が350円で,A4ファイルサイズ,厚さ3cm以内,重量4kg以内ならば,送れます。
鳥取県から翌日に東京に着いたので,なかなかの優れものです。翌日配達というのは決まっているわけではないらしいですが,関西~関東くらいの距離ならば,たいてい一日で着くようです。わざわざ局まで行かずとも,ポストインできるので便利ですし,追跡もできます。とはいえ,「レターパック」という専用の紙封筒を買う必要があり,局に出向く必要はありますが。
たいていの本ならば,3センチ以内のことは多いでしょうから,これはオススメです。
「レターパック」の宛名は手書きになってしまいます。が,これは宅急便のように転写するわけではなく,ボールペンで書く必要はないので,上からハンコやラベルシールを貼るのでもOKです。

ASAPじゃない場合:
A4サイズ以内で,厚さが2センチ以内でしたら,これは迷わず,「クロネコヤマト・メール便」の出番です。
コンビニのセブンイレブンならば,ほぼ確実に,メール便を扱っていますし,ほかにも扱っているコンビニはあります。ヤマトの営業所に持ち込んでも1冊から引き受けてくれますし,数点出すのならば,ヤマトのドライバーを呼んでも,さほど文句は言われないでしょう。
キッカリ1センチ以内で,封筒のサイズがA4ファイルサイズならば,全国80円均一でいけます。近隣の県ならば,だいたい翌日。それ以外でも3日以内には着きます。100円上乗せすれば,「速達」になります。
厚さが2センチ以内でしたら,160円になります。
ただ,1センチ以内の本は,ほとんどないのが現実です。なので,学術雑誌や論文の別刷などでしたら,メール便がいいでしょう。
ソフトカバーの本でしたら2センチ以内の場合が多いので,160円ということになります。
厚さにはとてもうるさいので,注意が必要です。(ただ,時折,アバウトな方が受け取ってくれるときがあり,80円で済んじゃうこともあったりします)

ともあれ,クロネコ・メール便は,コストパフォーマンスとしては,最強の送付手段でしょう。ただし,厚さが2センチ以内ならば。
それから,コンビニなどで受付すると,午後2時とか,3時とかで,その日の集荷が終わっていることもありますので,ご注意ください。
ラベルは,プリンタなどの打ち出しでもOKです。切手みたいなシールを貼ってくれます。

佐川運輸でも,メール便のサービスがあります。これはかなり厚さにはゆるいので,遠見書房では多用しておりますが,佐川との業者取引をしていないと扱いは難しい模様です。


厚さが2センチ以上ですと,日本郵便の「ゆうメール」という選択になります。以前は,「書籍小包」「冊子小包」と言われていたものです。
料金は全国一律なので,安い西濃などの運送業者に九州~東京で送ってもらうよりも,安い場合があります。
500グラム,290円です。ソフトカバーの本ですと,だいたい500グラム以内でしょう。「ゆうメール」は,3キロまでの重さのものが送れます。3キロで590円。B5版の上製本で,700ページくらいのものだと,3キロくらいの重さになるでしょうか。
普通郵便と同じ速度なので,一概にはいえませんが,経験的には,関西~関東で,ほぼ翌日には着く感じがします。その翌日になることもありますが,運なのか,何なのか。ただ,ポストに入らないと(そして在宅していないと),配達の人が持って帰ってしまうときがあります。
こちらも,宛名はプリンタで刷ったラベルでも手書きでもOKです。

ほかにも,ECO配なんていう面白い運送屋さんとかもあるのですが,一般向けではないですかね。ま,都内23区ではないと出せないので,遠見書房はお預けなんですが。

とまあ,ノウハウってほどではないですが,開陳させていただいた次第です。

 

2010年6月23日水曜日

アチャー

 
どうも,遠見書房主ッす。

夏~秋の学会向け,目玉商品(?)第一弾として,

竹田伸也さん(鳥取大)著
『認知行動療法による対人援助スキルアップ・マニュアル』



を刊行します!

と,はなばなしく,宣伝しようと思ったのですが,なんと,アマゾンの価格,2200円になっている……(2010/6/23 14時現在) 大チョンボ…… orz
ほんとは,2310円であります……

認知行動療法による対人援助スキルアップ・マニュアル認知行動療法による対人援助スキルアップ・マニュアル
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数日前気づいて,価格訂正プリーズのメール,アマゾンに送ったのですが,数日かかるとのこと。
あと,数日は,この価格で買えるかと……

当然,遠見書房モチ。今なら5%off??

うわー,ガックリ。アチャーもいいところですよ。
ほんと,何しているんだ,という感じ。

アマゾンは,小社のほうでデータを入力するのですが,こちらのミスであります。
実は二度目だったり……。そのときは半年くらいしてから気づきました……
トホホ。

いまがチャンス!


っていうのをウリにするのもオカシイですが,この本,実にいい本ですよ。

タイトル通り,対人援助職の方が読むことを想定していますが,心理,医療,福祉,教育,さまざまな分野で,この本,応用できると思います。とてもわかりやすい。元気になる。そんな本です。


 

2010年6月18日金曜日

オルタネイティブ!

 
こないだ,とある席で,オルタネイティブ・スクールを運営する方と同席をした。
不登校の子どもたちが通う,そんなスペースを作っているらしい。
「子どもの心と学校臨床」(売れてます)などを作っていて,他にも子ども関係の本を作っていても,なかなかオルタネイティブ・スクールの先生にはお会いできない。
実は「動く」オルタネイティブ・スクールの先生は,初めてであった。

もっとも,本を作らないのには理由?があって,東京シューレさん,というこの分野のマーケットリーダーがいるからである。

オルタネイティブ・スクールを運営して,本まで出している。しかも,とてもいい本が多い。

閉塞感のある社会で生きたいように生きる閉塞感のある社会で生きたいように生きる
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学校に行かなかった私たちのハローワーク学校に行かなかった私たちのハローワーク
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新しい産業を作っているなあ,と本当に思う。そういう意味では,遠見書房という会社は前時代もいいところだ。


閑話休題。

全国には不登校児童・生徒とされる子どもが12万人いる(!)らしい。
どのくらいの数が回復(という言い方がいいのか,一般的な進学・就職コースへの回帰)するのか,それもよくわからない。もし,「回復」しなかったら,その後はどうなるのだろう。「ひきこもり」になるのだろうか。

また,不登校児すべてがオルタネイティブ・スクールに行くわけではない。そこまで行くのは,ほんの一握りだろうと思う。多くは,教室以外の場所で,卒業を迎えているのではないかと思う。適応指導教室だの,いろいろとできたので,選択肢は多い。
私が中学生だったウン十年前は,不登校の子どもは中学すら卒業できなかった。それから考えれば,選択肢が多いという意味で幸福だろうと思う。

さて,その先生のお話をうかがっていると面白く,いろいろと経営問題的なところまで伺ってしまった。
行政からの補助もなく運営しているそうで,それはなかなか財政的に厳しかろうと思う。行政もナントカ手当てなんか適当にして,こういうところにお金が出ればいいのにな,とも思う。でも,それだと,オルタネイティブ・スクールのよさはなくなてしまうのかもしれない。金を出して,口を出すのは,為政者としては当然の行為である。

いろいろと考えていると,ふつうの社会に「適応」できなかった子どもたちはどこへ行くのだろう。適応は,面倒の少ない糊口のしのぎ方である。大学を出て,サラリーマンになるのが,気楽で無難な生き方である。それ以外の生き方には才能やコネがいる。それと,運。

新しい「糊口のしのぎ方」を彼らは見つけなくっちゃいけない。自分たちが暮らしやすい新しい世界を作るのは,本当に大変だと思う。

 

2010年6月15日火曜日

ここのところの当たり本

あなたの職場のイヤな奴あなたの職場のイヤな奴
サットン I.R. 矢口 誠

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「イヤな奴」とは,原題で言うと,Asshole。ケツの穴である。あんまり大きな声で言うべきことばではないみたいである。本文中だと,「クソッタレ」と訳されているが,さすがに日本語のタイトルにするのは憚れたのか。

なんちゅう本や,と思われるかもしれないが,これが,スタンフォードの経営学部の教授(経営心理学だそうである)が書いた本だとすれば,ご興味が湧くかもしれない。
話としては,まあ,簡単で,要するに,クソッタレを組織の中に入れても,長い目でみると生産性はよくないよ,というようなことである。クソッタレにもいろいろあるが,仕事ができようができなかろうが,クソッタレはクソッタレである,と明快に論じている。
ただ,就労支援などをされている方にとっては,腹立たしい話かもしれない。要するに,クソッタレとは,パーソナリティに問題がある一群のことであり,本文中のケースを見ると,いわゆる○○障害と診断したくなるような感じもあるからである。排斥することにもならないだろうか……という危惧もある。
とはいえ,読んでいると,とても耳が痛い。ああ,人のこと笑ってられないな,などと思ってしまった。作者も,自分のクソッタレぶりを披露しているが,それが本当にクソ野郎で,なかなか可笑しかったりする。比較して考えると,私はさほどクソではないかもしれない。なんて思っているのは自分だけだったりして。
産業カウンセリングの場面で,こういうところまでタッチできると面白いんだろうなあ,などと夢想してみたり。


空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)
池井戸 潤

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空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫)
池井戸 潤

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数年前に書評に出ていたのを何となく覚えていて,文庫になって購入。三菱自動車のトラックのタイヤが外れて死者がでた事件を下敷きにした小説である。
正直,いわゆる経済小説というか,企業小説ジャンルであり,さほど期待していなかったのだが,これが,ああた,オススメですよ。超絶面白エンタメです。気づいたら3時とか,そんな小説でありました。
このミスだとか,本屋さんオススメモノだとか,エンタメ系を時折読むのだが,はずれも多くて,ガッカリしてしまうことも多い。こないだは大量に平積みになっていたから,こりゃ面白いのか,と思って買ったら,なんかリアリティのない警察小説みたいなので,時間返してほしいと本当に思った。結局,当たり外れのないよく見知った作家ばかり買ってしまうところがある。しかし,ま,たまにはこういうあたりもあるので,読者人生は愉しい。
この本,人物がよく書けている。事件もよく書けている。いくつかのストーリーが交錯するが,どれも違和感もなく,進行する。自動車会社の内部の話よりも銀行の話のほうが面白いのは,作者が銀行出身だからだろうが,まあ,いい。
タイヤが外れてしまったトラックの持ち主である(そして事故に対して責任をもつ)運送屋の社長というのが主人公なのだが,なんか妙に肩入れしてしまった。
池井戸潤 は,山崎豊子を超える作家になるかもしれない。

 

2010年6月1日火曜日

【心理学徒】これが本来の必携の書か【の皆々様】

 
必読必携,座右の書……書籍のコピー(裏表紙や袖のところについていたりします)には,わりに仰々しいというか,禍々しいこれらのコトバが,それこそ,必掲なのでありますが,当然,遠見書房主である私めも,この手のコトバは大好きで。

「座右の書である」

なんて,もう,何度書いたか。
もうね,きっとね,40冊には書きましたよ,「座右の書」。座右に本だらけだつうの。マウス置くところ,なくなるつうの。と大量にツッコミを受けそうですが,でもそう思うんだもの,仕方がない。必読も軽く40冊にはつけたはず。必携はね,15冊くらいですかね。なんか,弱い気がしましてね,仰々しい度が低いというか。とかいって,「必携 臨床心理アセスメント」なんてタイトル,つけましたが。

でも,心理学徒,必携!というべき本,これだ!とわかりましたよ。
これ↓



「心理図書総目録 2010」

です。
2010というからには,2009もあり,きっと2011もあるのですが,これは人文図書目録刊行会(出版取次のトーハンのなかにある)が毎年5月に刊行している,心理学関係の図書のカタログ,であります。

出版社 125社
掲載点数 3450点


が並んでおります。けっこう,すごいですよ。

これは,必の書!とは,さすがにいえませんが,心理学徒の方々でしたら,必の書,というべきでありましょう。
なかは「発達心理」だとか,「教育心理」「臨床心理」などとカテゴリーに分かれ,「精神医学」というカテゴリーもありますから,心理学だけではなく,精神医学関係の皆々様もぜひお手にとっていただきたい。

価格はなんと,

300円!

パラパラとめくっていると,「お,面白そう,これ」というのがあったりします。
時折,「こ,これは心理学じゃないんじゃね」という本も入っていたりしますが,ま,それはご愛嬌。
それぞれの本の刊行年がよくわからないのが残念ですが,一応,新刊には「*」がついています。

アマゾンなどでは取扱いがないのですね。残念というか,当然というか。ほかのネット書店さんだと買えるところもあるようです。

この目録の入手方法ですが,書店さんで注文するのが一番でしょう。ネット上の情報によると,大きい本屋さんですと,ときおり,無料配布していることもあったりなかったりするようですが。300円(税込)ですから,買ってあげてください。
なお,送料は別途390円かかるんだそうで……。


このカタログのカテゴライズをしているのは,どうも,その本の版元さんのようです。というか,遠見書房では,私が勝手に(というほど勝手じゃないと思いますけれど)カテゴリー分けをいたしました。

ともあれ,各版元が情報を提供していますので,この目録は,最新&最強のカタログであることは確か。

2010年版は,5月に刊行されたばかり。
ぜひぜひ,ご購入ください。