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2010年3月18日木曜日

「学校現場での発達障害のガイドライン」コメント頂戴しました

 
拙記事「学校現場での発達障害のガイドラインを作ろう!」にさっそく,コメントをいただきました。

お忙しいなか,ありがとうございます。

まず,いただいたの現役児童精神科医の,afcpさんからです。

ご存知の方は,ご存知でありましょう,秀逸なブログ

A Forward-looking Child Psychiatrist
――前向きな児童精神科医のBlog


のafcpさんです。

afcp さんが投稿「学校現場での発達障害のガイドラインを作ろう!」にコメントを書き込みました。

全国一律…は理想かもしれませんが、利用できるリソースが地域によってあまりにも違います。
医療機関の数や待機期間、母子通園の整備状況、通級や特別支援学級の状況や教育センターの機能などあまりにもばらついています。自分は同じ県内のこどもでも市町村によって対応を変えています。ましてや全国では…。
どんなにリソースを整備しても、北海道と東京で同じガイドラインが通用するとも思えませんし、都道府県ごとくらいの単位で、整備するのが現実的かなと思います。



なるほど,確かに,リソースは全国一律ではないですね。
同じ名称をもったハードでも,ソフトが違うということもある。

うーん,これは悩ましい。
全国一律が大事,といったのは,これはもちろん「建前」でもあって,それは難しいというのはわかるのですが,でも,ベーシックなものは一律にしてほしい,というのがユーザー側の願いかな,と思います。
現実的に,全国一律は難しいとしても,都道府県単位になるが現実的だとしても,たとえば,東京はこうだけど,お隣の埼玉はこうで,全然違うのよ,というのでは,なんかよくない気がします。
インターネットでサービスも検索できる時代ですから,あまりにも地域差があるのは,よくないような。それは厳然としてあるのでしょうが,でも,それを埋める努力,知恵と勇気(?)が必要でしょうか。って,私もだれに知恵と勇気を求めているのだか。。。

一方で,ある程度,地域の「ハード」と「ソフト」が固まれば,近隣の地域でも,真似をすることもあるやもしれません。あるいは,地域住民が自治体に対して要望を出すというようなことも。


さて,もうひとかた,T.Y.さんからご連絡をいただけました。うちの親父のイニシャルがT.Y.なので,どきりとしてしまうのですが……。

T.Y. さんが投稿「学校現場での発達障害のガイドラインを作ろう!」にコメントを書き込みました。

賛成です。

私は以前、某市の保健福祉センターに配置されていた家庭児童相談室に勤務していました。子どもの相談はなんでも受け付けますが、最近の傾向として1歳半、3歳児検診で要フォローと言われた子どもとその親と関わることが多かったです。

私も様子見ではなく、早期に児童相談所と医療機関等に紹介していました。紹介はしても親によってはもうちょっと様子を見るといわれることもありました。子どもに障害があるかもしれないと思った時の衝撃に圧倒される方もいますし、その後の気持ちの揺れもありますし…。そのあたりは続けて相談に来られたら、その気持ちに沿ってタイミングを見て再度促すこともありました。

また、児童精神科医が少なく、医療機関は予約をしても診察は半年後、児童相談所(療育手帳等発行します)での発達検査はもう少し早いですが、概ね3ヶ月後でした。

都市部でこういう状況なので、地方ではもっと社会資源が少ないと思います。だから、紹介したくてもするところがないのかもしれません。

相談員のスキルには本当に差があるのも事実でしょうね。私の周りは熱心な相談員が多かったですが、立場は非常勤嘱託職員で、正職員でこういう仕事をしている人はいなかったと思います。


ということです。

うーん,なるほど。

T.Y.さんのように気の利いた相談者にあたると,ラッキーですが,スキルの足りない相談者に当たると,ほんと,人生のロスにさえつながりますね。


私の言う「ガイドライン」は,たいそうなものではありません。

A4 1枚くらいの,そんなガイドラインです。
もちろん,いろいろと想定しだすと,ガイドラインがどんどん増えていってしまって,えらいことになってしまいますが(読むのも億劫なガイドラインじゃ,意味ないですし),もっと,シンプルなものをイメージしています。

たとえば,発達障害のある子どもへのケアの経験の少ない専門職(教員・養護教諭・SCなど)が「発達の気になる子」が「発達障害圏にあるのか/ないのか」を簡易的に鑑別する方法はないものでしょうかね。

・保護者とお会いすることはできる
・母子手帳なども閲覧可能
・小学校入学時の知能テストの結果が入手できる(できるもんなんですかね??)
・簡便な,数分でできるような,テスト的なものはやれる

くらいの条件で。
児童精神科医や児童相談の臨床心理士の立場から,どうなのでしょうか。こんなこと,可能でしょうか。

これで,グレー判定が出たら,→発達診断へ,,というのは。
ここまでのガイドラインなら,個人の力量でできそうで,地域差もないような(個人差のほうが大きいですけど)……


==
「発達障害」のガイドラインとともに,「児童虐待」のガイドラインなどもあるといいかもしれません。と夢は広がりますが。。

 

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

それはガイドラインというより、スクリーニング用の評価尺度という感じですね。自閉症の早期スクリーニング用の尺度はいくつか開発されていて、邦訳もでていますが、汎用性の高いものは開発しにくいようです。

というのは、自閉症スペクトラム障害に特異性の高い行動は比較的、特定の年齢や発達段階にのみ現れるものが多く、幅広い年齢や発達段階を対象にしたものはあまりうまくいかないようですね。暦年齢だけでは難しそうですし。

もし作成するのであれば、2段階のテストとして、第1段階でおおざっぱな発達の段階を見定め、第2段階でどの段階の尺度を適用するか、とか一工夫いるような気がしています。

小学校段階では、さらに難しそうな気もしたりして…。

afcp さんのコメント...

すみません、一つ前のコメントは自分のものです。匿名になってしまっていますね。ごめんなさい。

遠見書房主 さんのコメント...

afcp様

コメント,ありがとうございました。

1部は,スクリーニングの評価尺度,ですかね。
汎用性の高いものは,難しい,とのことですが,,

・万全でなくてもよい

と思うのですが,どうでしょうか。

たとえば,最終的に診断を下す児童精神科医の立場からすれば,グレーゾーンを含めて,「こうなら,診断にきてほしい」「これなら,診断にくる必要はない」というボーダーラインがあるように思うのですが,それのチェックは難しいでしょうか?

それから,発達段階では,問題として顕在化しだす時期に特定するのはどうですかね。
12歳前後とか。

児童精神科医の方のニードとしては,どんなものなのでしょうか? もちろん,地域差もあるいのでしょうけれども。