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2009年10月15日木曜日

乾吉佑先生の本が出ます。

 
ジャーン。

出ます。



タイトルそのまま、の内容であります。「思春期・青年期の精神分析的アプローチ」! 変化球なし。速球ド真ん中!
ロックでたとえれば、ブルース・スプリングスティーンですね、乾先生は。切々と歌いあげる感じ。武骨。実直。誠実。

乾先生は、専修大学の教授でありますが、同時に、日本臨床心理士会の副会長ですね。20年以上、要職にあるんじゃないでしょうか。それから、天才 小此木啓吾先生の弟子ですね。小此木先生も何十人とお弟子がおられますが、実は、乾先生が一番弟子だそうですよ。狩野力八郎先生が二番目(ドクターとしては1番)なんだそうで。
ともあれ、そのスタイルは、基本、精神分析なんですが、ま、やはり手広い。視野が広いというのですかね。
ゆえに、本書も、視野が広く、なかなか面白いです。そして、ほとんどが事例論文です。これがいろいろとある論文が多く、いやあ、大変そうですよ。読んでいるだけで,胃が痛くなりそう。とはいえ、スプリングスティーンですからね、実直に誠実にこなすわけです。トリッキーなこととかしない。そこがいい。

ま、本書は論集なのですね。そのため、私は、乾先生の論文をほぼ読んだのですが、おおまかに分けて乾先生の領域は4つあって、1)病院臨床、2)リエゾン・コンサルテーション、3)産業臨床、4)思春期・青年期……という感じ。
1)と2)に関しては、すでに、

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という本が出ております。これもいい本です。
実は,これもセレクトしたのですが、今回も再びセレクトしてみました。無論,先生と二人で,これはどうだ,あれも入れようとやったわけですが,論集づくりは,そういうところが面白いですね。
で、今回は、思春期~青年期にかけての論文を集めてみた、という次第。

詳しくは、小社のHPをご覧下さい。
http://tomishobo.com/catalog/ca06.html

臨床の本作りにおいて、私が求めているのは、リアルです。どれだけ、リアルか? もちろん、リアルに語れる(書ける)か、という技法的な問題もありますし、現実の現場に役立ってほしいという意味での、リアルもあります。常に、悩んでいるのはそこらあたりなのですが、前者はナラティヴという地平が見えてきましたので、その地平の向こうはまだわかりませんが、何となく,それは近づけそうな気がする。でも,後者のほうは、私自身が臨床家ではないので、壁を感じるところです。

とはいえ、この乾先生の本は、私にもわかるような,リアルであり,皆さん、喜んでもらえる内容になっているのではないかと思います。
古い論文も新しい論文も入っていますが、実直なセラピーの向こう側に語られているのは、古くても新しい、つまり普遍的な臨床だったりするのではないかと、校正しながら感じておりました。

どうか、よろしくお願いします。
 

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