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2009年8月21日金曜日

野坂達志先生の本が出ている

 
野坂達志というひとをご存知だろうか。知っている人は知っている、知らない人は知らないとは思うが(ま、だれだってそうだ)、統合失調症者への援助を中心に行っているPSWである。

「統合失調症者とのつきあい方」

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という本がある。
野坂さんの初めての本である。とてもいい本だ。手伝った本人が言うのだから、信用ならないかもしれないけれど、統合失調症の方々へのソーシャルワークについて、どういう手立てが有効かということをじっくりと考えている。ブリーフセラピーや家族療法の知見もいかしており、よみやすい、そしてわかりやすく、すぐにでも臨床に役立てることができる。そんなある種の臨床書の理想のような本である。

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という本も作った。
共編者の大西先生は、岡山大学の精神科医で、これまた面白い方であり、この本のなかに入っている論文は、ぜひ、読んでいただきたいものである。そのタイトルも、「病棟においての医師の心得」という、この堅物タイトルからは想像できない、すげぇーノウハウがつまったものだが、、、ま、今は野坂さんの話である。

野坂さんは、所属されている病院や地域などではどうなのか知らないが、学界的には、あまり──というよりも、ほとんど知られていない人物だった。それが1冊本を作った。「統合失調症者とのつきあい方」である。一生懸命書いたのだ。企画自体が面白かったので、出版社がのり、担当がついたのはラッキーだったと思う。企画会議では当落線上にあったは本人には内緒である。本人が無名だからだ。
それが、すごい速さで重版をした。確か、一月かそんなもので、増刷が決定した記憶がある(印刷屋さんが間違えて、刷り部数がふだんの3分の2しか刷っていなかったのも大きいが)。そして、今も増刷を続けている。とてもよく売れている。
精神分裂病が「統合失調症」と名を変えた辺りだったので、潮もよかったのだろう。出たころは、「統合失調症」の名を冠した本はあまり多くなかった。

とはいえ、現在も売れているのは、その理由にはならないが。

つまり、とても有名だからといって、本が売れるわけではない、ということである。無名の方でもいい本はできる。本に力があれば、それが叶うのかもしれない。とはいえ、そのパッケージングをどうするかというのも、こちらの編集サイドの腕の見せ所であるのだが。

野坂先生は、ちょくちょく雑誌論文を依頼されるらしいが、その辺りをまとめた本もこないだ出された。
これもご恵送いただいたが、おもろい本である。書き下ろしもだいぶ入っているので、ぜひ、ご購入ください。タメになります。

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ちなみにいえば、野坂さんは、東豊先生の弟子である。ゆえに、この本にも書いておられます。

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野坂さんは相変わらず、病院のPSWを続けている。

 

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