遠見書房のメルマガ

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2009年7月8日水曜日

ふくめし!

 
外食はしない──昼飯の話である。というのも、事務所の近所にこれといった店がないからであり、保育園の送り迎えなどもあるので昼休みなどという悠長なものを取れないという現実もあり、もちろん経済的な問題もなくはない。
とはいえ、毎日オリジン弁当だとか、カップ麺だとか、コンビニ飯だとかだと、本当につらくなるので、時折、ふらふらと昼飯を食べに行く。
こないだ、事務所の近所に社会福祉法人のやっているカフェを見つけたので入ってみた。ランチが550円である。タマゴのスープと豆ご飯と、春巻きやサラダ、香の物、箸休め的なものがワンセットで、550円。もちろん、温かい。出来立て……という感じではなかったが、ホカ弁などよりも温かく、人が作った感じがする。

味は、といえば、これで550円というのは何の問題もないな、というか、安いね、これは、という味である。無茶苦茶美味い! というわけではないが(たぶん、春巻きなどは冷凍モノであろう)、750円くらいはとってもいいように感じる。額と味の相関であるCP(コストパフォーマンス)的にはとても宜しい。守銭奴になりがちな月末でも安心して食べられる。
コーヒーをつけると+120円とかなのであるが、コーヒーを飲むほどゆっくりしてられず、パクパクと食べて、席を立った。

550円というと、ホカ弁的値段である。ホカ弁の豪勢(?)なやつが、499円とかなので、それとほぼ同じ。しかも、作業所にお金が落ちるのだから「貢献した」というような感じもなくはない。作業所系の食堂にときどき足をを運ぶのだが、どうせ金を払うのならば、CPだけではなく、ボランタリーな気分も満たしたいのである。偽善だろうか。偽善で十分じゃないかと思うけれど。

実は、こういう作業所系の食堂ガイド本を考えてみたことがある。だれかお好きな方、いないだろうか。この手の「食堂」を「福祉レストラン」、いやもっと今風(?)に、「ふくめし」とでも呼び、「多摩ふくめしガイド」なんていうのを考えたのである。「きょうのランチ、どう、ふくめしで」なんて、OLさんあたりが言ってくれると嬉しい。

この手の「ふくめしどころ」で、絶品だったのが、調布にあるクッキングハウスである。


ランチは確か1,000円とちょっとお高いが、それでも素材は厳選されたもので(昆布はべてるの家からの産直であった)、味はすこぶるよい。ふつうに調布あたりで昼飯を食べるセレクトとしても悪くない。ランチしかやっていないのが残念である。山本マスヒロとかきて、ぜひうなってほしい味である。

ちなみにクッキングハウスは本も出している。とても面白かった。


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たぶん、「ふくめし」は材料にコストをかけられるのである。ゆえに、CPが高い。事務所の近辺にある550円ランチもCPがよいし、クッキングハウスもCPがよい。ふつうの食堂であのレベルの材料を使い、味を求めれば、2,000円くらいはとるだろう。飲食店の原材料費はたいてい3分の1だと言われているからだ。

なものだから、とある「ふくめしどころ」だと、おそば300円などという学食並みのお値段で、大きい駅の徒歩1分とかで営業していたりする。立ち食いでもないし、カフェテリア方式でもない。300円という味なのだが、それにしても安いは安い。カレーは400円とかであった。レトルトな味であった。ちょっと寂しい味であるが、値段的には安いであろう。
この店は何度か行ったのだが、結局、足を向けるのを止めてしまった。
理由は味ではない。ここは知的障害の方の作業所なのだが、お運びさんを彼らがやっている(中でもやっているのかもしれないけれど、わからない)。そこはいいのだが、その彼らをえらく叱責する店員がいたのである。剣呑な感じの店員で、客(つまり私)の前でぶうぶうと言うのである。私は、この店員は精神疾患を患っていて(たとえば人格障害だとかで)、そんであの知的障害の子に絡んでいるのだな、と勝手な物語を作ったのだが、職員のほうであることがわかって驚愕してしまった……。以来、足が向かない。どうりで地の利、CPもいいのに、店はがらがらなのだと思う。

ちなみにいうと、クッキングハウスは赤子を連れて行ったのだが、とても親切にしてくれた。ありがとうございます。当日、かの有名なSWである前田ケイ先生も食べておられた!(WSがあったらしい)


さて、「ふくめし」どうでしょうか。というわけで、ブログに「ふくめし」カテゴリを新たに設けさしていただきます。

「食べにきてくれ」という作業所の方がありましたら、ぜひ、ご連絡ください。もちろん、御代はお払いします。
 


2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

こんにちは。
ながい精神的休みをへて、いよいよ活動開始なかと(せざるを得ない)。
うちの施設は”ふくめし”はやってませんが、近くの精神障害者施設は、レストランのみならず、一人暮らしの老人宅に”ふくめし宅配”をやってます。一度、一緒に宅配、経験させていただいたのですが、お味はとても美味らしいですよ。互恵的というか・・・お互いにお役に立ててる感のあるでなんとも素敵な宅配でした。

遠見書房主 さんのコメント...

智子様

どうもコメント,ありがとうございます。
「ふくめし宅配」もいいですよね。確かに互恵的です。
「ふく飲み屋」(ふくのみ)なんていうのも,個人的には素敵かと思うのですが……まあ,アルコール関係の病気の方もおられるから,ダメでしょうか。